ただ黙って聞いているだけでも、こちらが言ったと言われかねない。ゆえに、納得できないこと、それは言いすぎだろうと思うことがあれば、
「私はそんなふうに思わないけど」
「それは勘ぐりすぎなんじゃないかな」
などと、同調しない態度をはっきり示すべきだろう。
それがしにくいなら、とにかく意見や感情を伴わない仕事がらみの話や表面的な会話以外はかわさないように、かかわりを制限することを徹底すべきだろう。
危険な裏表人間は
感情を揺さぶるのがうまい
裏表の使い分けがうまい人は、人の感情を揺さぶるのもうまい。
ほめられたり頼られたりするのは、だれでも嬉しいものだが、それが人を攻略する戦略だったりする。こうすれば相手は自分に好意的になるというように、操作的な戦略でほめたり頼ったりしてくるのである。
ゆえに、このタイプとかかわる際には、感情をくすぐられても操作されないように、常に平静を保つように意識する必要がある。
また、こちらのためを思っての言動をしてくれると、とてもありがたいし、感謝の気持ちと同時に好意的な感情も湧いてくるものである。
たとえば、何かを手伝ってくれるなど、こちらが助かるようなことをしてくれればありがたいし、こちらが困っているときに励ますようなことを言ってくれると心強いものだが、それも戦略だったりするので、うっかり気を許して心理的距離を縮めたりしないように注意したい。
また、心理的距離を縮めるために、上司や取引先あるいは同僚から酷い目に遭わされていると嘆いたり、親や配偶者の酷い態度を嘆いたりと、同情を誘うような嘆きを聞かされたりすると、だれでも同情心が湧いてきて、つい好意的な感情をもってしまいがちである。
だが、それも戦略だったりする。事実とは限らない。このタイプは、いちいち相手が真偽を確かめるようなことはできないと計算ずくなのだ。
『裏表がありすぎる人』(榎本博明、幻冬舎)
ゆえに、そのような嘆きを聞いて同情したり、一緒に腹を立てたりしていると、いつの間にかその人物に巻き込まれ、感情を支配されることにもなりかねない。
このように、人の気持ちを戦略的に操作しようという人は、人の気持ちを揺さぶるのがとてもうまく、うっかりすると巻き込まれ、相手の思うように操作されてしまうので、注意が必要である
自分はそんなふうに身の上話を偽ったりしないから、あれが嘘だとは思えないという人もいるだろうが、危険な裏表人間にとっては、事実無根の作り話で同情を誘ったり、怒りの感情を喚起したりするのはお手のものなのである。何の抵抗もなく人をだませるのだ。
自分とは価値観も生き方も違うのである。そこをしっかり踏まえて対処する必要がある。







