「聖域」を壊す方法
従わない人への最終手段
それを踏まえて、こういった人に正しく対処するにはどうすべきか。
いきなり情報開示を強制するのではなく、まず安心させることから始めるのがいいでしょう。業務をマニュアル化して、他の人もできるようにすれば、あなたの仕事が楽になる。余った時間に新しい仕事の機会が生まれ、新しいスキルを身につけられる。新しい経験を積むことは、あなたの存在価値を下げるどころかさらに高めることになると丁寧に言って聞かせるのです。管理職を目指していないとしても、プレイヤーとして成長を続けていくうえでも、新しいスキルの獲得は不可欠です。
対応の手順としては、まず上司からの業務指示として、マニュアル作成や標準化への取り組みを求めることが第一歩です。それでも動かない場合には、本人がなぜそれを拒んでいるのかという動機に照準し、説得を試みます。
業務が滞る状況が続き、それでも変化が見られない場合には、外部コンサルタントを入れて強制的に体制の変革を図ります。実際にこのような人は内部の人がいくら言っても聞かないケースも少なくないので、外部コンサルタントを入れて業務の標準化プロジェクトを立ち上げ、強制的に情報を開示させた例もあります。
最終手段は、技術革新のタイミングでの担当者の入れ替えです。過去のノウハウはその人しか持っていないかもしれないが、新しい基幹システムなどの導入を機に、より高い専門性を持つ人材を採用してスイッチする。前任者は異動になるか、場合によっては降格になる。新しく採用された人の方が立場が上になる。そこに至るのは業務が実際に止まるほど深刻な場合ですが、そういう決断をせざるを得なくなった組織も存在します。
会社から見れば、担当者が長期休暇を取れば業務が止まる、休めないから有給も取れないような、特定の人にしかできない業務がある状態こそが、経営上のリスクであり、脆弱性です。自分は解雇できないはずだと思っている人ほど、実は最初に解消されるべきリスク要因として認識されています。自分を守ろうとしてきた行動が、長期的には自分を最も危うい立場に追い込んでいる。そのことに気づいてほしいのです。
今やっている仕事を標準化し、開示し、他の人にもできるようにする。それによって生まれた余力で、新しい知識と経験を獲得する。そのサイクルを回せる人だけが、変化の速い時代に、組織の中で真の意味で必要とされ続けることができるのです。








