「三代目」は信用が薄い?
今回は日産の新型リーフ試乗記をお送りする。
日産の3代目LEAF(リーフ)(広報写真)
リーフは数えて3代目。のっけから失礼を申し上げるが、日本には「売り家と唐様で書く三代目」という川柳がある。初代が苦労して築き、2代目がそれを受け継ぎ、3代目で傾く、という意味だ。実は海外にも似たような言葉がある。“Shirtsleeves to shirtsleeves in three generations”。祖父が裸一貫、作業着から身を起こし、父が財産を守り、孫の代でまた作業着姿に戻ってしまう。意訳すると、これくらいの意味だろう。洋の東西を問わず、どうも3代目は信用が薄いようだ。
無論、3代目が必ずダメにするとは限らない。徳川3代将軍家光は、参勤交代を制度化して幕府の統治機構をより強固なものにした。260年続く江戸幕府の基礎を作り上げたのは、間違いなく家光だろう。家を潰す3代目もあれば、より強くする3代目もある。
さて、3代目リーフはどちらだろう?
EV戦国時代、その幕開けは2010年
逆風吹き荒ぶEV市場。テスラ、王者BYDを含む中国勢、さらには欧州勢が入り乱れる、正しくEV戦国時代。市場環境は極めて厳しい。世界ではEV化が進む一方で、HEV(ハイブリッド自動車)の強い日本では未だにマイノリティだ。
初代リーフが登場したのは2010年のこと。オバマ率いる民主党が中間選挙で大敗し、豪州史上初の女性首相が誕生し、金正恩が後継者としてデビューした激動の年である。
その頃のEVは未だ「未来の乗り物」感が拭えなかった。航続距離は絶望的に短く、そのくせ街中に充電器は少なかった。寒冷地に行けば翌朝には電池が減り、高速に乗るとみるみる減っていく電池残量計に肝を冷やしたものだ。所有するには相応の覚悟が必要で、何というか、「意識高い系」の方々が乗る印象だった。
ところでリーフは世界初の量産型EVなのか。否。今は亡き三菱i-MiEVという先輩がいる。このクルマは欧州でプジョーiOn、或いはシトロエンC-ZeroとしてOEM展開された。
さらに歴史を遡れば、こちらも今は亡きGM EV1というクルマもあった。だから「リーフは世界初の量産EV」と言い切るのは誤りだ。







