時間を指定すると、新たな手間が発生し、オペレーション・コストが増し、コストアップになると思われがちであるが、それ以上に、顧客を二度訪問しなくて済むことによるコスト削減のほうが大きかった。
2007年にはクロネコメンバーズという会員サービスを始め、第三者から届く宅急便に関しても、事前に配達日時をネットで指定できる仕組みを作り、再配達は減少した。
その後、配達の時間指定に続く第2弾として、2020年から「置き配」を始め、業界全体の再配達率は、2023年4月には11.4%まで減少した(ちなみに国土交通省では、宅配に関して、今後は置き配をデフォルト〈初期設定〉にする検討も始めている)。
こうした工夫によって、顧客満足とコスト削減の両方が同時に達成されたのである。
品揃えを増やすほど赤字に…
アマゾンが見つけた解決策
アマゾンは米国企業であるが、日本でも同じようなビジネスモデルを擁しているので、以下の記述は、アマゾンジャパン合同会社でもほぼ同様である。
アマゾンは今や世界一の通販会社であるが、取扱いカテゴリーを増やすだけでなく、各カテゴリーの中での品揃えも競合を凌ぐようになった。
ただし品揃えを増やすためには、注文が多く入る品物だけでなく、注文が滅多に入らない品物も揃えなくてはならない。品揃えが乏しいサイトには、顧客が集まらないからである。その結果、品揃えと在庫コストというトレード・オフに直面したのである。
これに対してアマゾンは2000年に、アメリカでアマゾン・マーケットプレイスを始めた。マーケットプレイスはアマゾン以外の業者が品物を揃え、顧客に提供する仕組みである。注文はアマゾンが受けるが、在庫・配達は外部業者が行うものであった。売れた時点でアマゾンは、業者から手数料を受け取る。
アマゾンが自社で在庫していれば、売れた商品はすべてアマゾンの売上になるにもかかわらず、なぜマーケットプレイスを始めたのであろうか。







