ロータスがモーターシーンに刻んできた栄光を
ドライバーに雄弁に語りかけるまさに名車

 次いでドライブした2.0FEは、現在のエミーラのコアモデル。日常使いに十分に配慮したチューニングながら、右足を深く踏み込むとロータスらしい痛快な走りの世界が堪能できる。エンジンはメルセデスAMG製のM139型だ。型式名を聞いてピンと来た人も大勢いるだろう。AMGの45シリーズに搭載されているヤンチャなユニットである。走りの印象は、V6と比べると荒々しいイメージ。瞬発力もひけをとらない。V6もいいが、この直4もいい。

 最後に、パフォーマンスとハンドリングにおけるフラッグシップとなるターボSEのステアリングを握った。SEの最高出力は2.0比で41ps増の406ps。最大トルクは480Nm。最高出力はV6と共通だが、トルクは60Nmも太い。0→100km/hを4秒で駆け抜けるハイパフォーマンスは劇的で、パンチの効いた加速を楽しませてくれた。クルマ自体も全体の動きが一段とスム-ズになっていた。

 エミーラに共通する美点は、“軽快さ”と“一体感”だった。ボディサイズは4412×1895×1225mm。かつてより大柄になったとはいえ“ドライバーが主人公”というロータスの美点は一歩も譲っていない。しかも乗り心地がよく、それでいてコーナリングではほとんどロールせず、限界がはるか彼方にあるような感覚が強い。本当に気持ちよく走れて、いつまでも乗っていたくなるスポーツカーだった。メーカーによると、エミーラはロータス最後の100%エンジン車であるという。エミーラは、ロータスがモーターシーンに刻んできた栄光をドライバーに雄弁に語りかけるまさに名車である。ドライビング好きであるほど魅力を実感するに違いない。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)

CAR and Driverロゴ