この関係を示したものに「湿り空気線図」と呼ばれるものがあり、建築や空調の分野では基本的な図表として知られる。同図を読み解くと、例えば25℃・湿度60%の室内空気の場合、およそ16~17℃まで冷やされた時点で結露が始まる計算になる。

 壁の内部で生じた結露は、表面には現れないまま、内側でカビの繁殖を進める。壁紙が正常に見えていても、内側がすでに侵されているケースは少なくない。というのも、カビが繁殖するには湿気だけでなく栄養分も必要で、室内に蓄積したほこりや人の皮脂がその供給源になるからだ。つまり、エアコンの使い方を見直すと同時に、梅雨時期の室内清掃はカビの抑制にも直結する。

 管理面でも気をつけたいポイントがある。エアコンの冷房運転中は内部で結露が生じるため、機種によっては運転停止後に自動で内部を乾燥させてカビを防ぐための機能が作動する。「内部クリーン運転」と呼ばれるものだ。ただ、蒸し暑さや電気代が気になって途中で止めてしまう方も少なくない。そうすると内部が湿ったまま放置され、かえってカビの温床になってしまう。内部クリーン運転機能がついている場合は、不快でも最後まで完了させておくようにしたい。

「換気を止める」は逆効果
湿気を逃がす住宅の基本

 梅雨対策に欠かせない「換気」の扱いにも気をつけなければならない。「虫が入る」「外の湿気が入り込む」といった理由から給気口を閉じてしまってはいないだろうか。実は、これが室内の空気を停滞させ、湿気やカビのリスクをかえって高めてしまうことになる。

 現代の住宅は24時間換気を前提に設計されており、給気口を塞ぐと特定の場所に空気が滞留しやすい。そのため、外の湿気を遮断しようとした行動が、結果として室内の湿気を閉じ込めることになりかねない。また、部屋のドア下部にあるわずかな隙間も、実は換気のために設けられたものだ。防寒目的で隙間テープを貼っている場合は、梅雨前に外しておくことをおすすめしたい。

 加えて、サーキュレーターをエアコンと組み合わせて室内の空気を回すことも、冷気の偏りを防ぎながら湿気を拡散させるうえで効果的だ。「外を閉め切って冷やす」のではなく、室内の空気を動かし続けることが、梅雨時期の基本となる。