株式会社獺祭 会長の桜井博志氏 Photo:SANKEI
規格外として安値で処分される「等外米」。多くの酒蔵が敬遠するその米を、獺祭はあえて買い取り、日本酒造りに活用してきた。背景にあるのは農家支援という社会的な意義だけではない。「社会貢献だから味は二の次」という発想を拒み、純米大吟醸に匹敵する酒質を追求したのである。等外米を極上酒へと生まれ変わらせた技術と執念、そして品質への妥協なき姿勢を、同社会長の桜井博志氏が語る。※本稿は、株式会社獺祭 会長の桜井博志『獺祭 経営は八転び八起き』(西日本出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
処分される等外米を使って
純米大吟醸に負けない酒を造る
酒税法上、等級米で造ったものしか純米酒とか純米大吟醸酒という表示はできません。一般的に各酒蔵は等級米しか購入しません。しかしその結果、農家は等級検査に通らなかった等外米はくず米として処分するしかなかったのです。
その米がいつの間にか誰かによって袋が入れ替えられて普通の山田錦になっているとか、変な話が多かったのもこの等外米周辺です。
それなら、公然と表に出して等外米を購入して、名称も「獺祭 等外」として純米大吟醸表示なんか気にせず普通酒として売ればいいじゃないか、ということで、2014年度の試験醸造・試験発売に続いて、2015年4月から本格的に「獺祭 等外」を発売しました。
ただ、「獺祭 等外」の難点は、酒質の劣化が早いことです。
1等2等から外れた等外米という性質上、粒の大きさにばらつきがあります。全体を通常の大吟醸の50%よりさらに15%磨いて、35%まで磨いているにもかかわらず、ごく少数の磨ききれていない米が残ってしまいます。このわずかな米が悪影響を及ぼして、製造直後はいいのですが、時間の経過と共に劣化を加速させると考えられます。







