『風、薫る』第10回より 写真提供:NHK
夫役・髙嶋政伸と会話が弾んだワケ
――捨松の生き方を通していまを生きる視聴者に伝えたいことはありますか。
主人公2人に影響を与える役割なので、視聴者に何を伝えるかというよりは、私が演じる捨松によってりんと直美がどのように成長するか、それだけを考えて演じています。彼女たちが自分の意思で自分のやりたいことや好きなこと、人生を捧げるものに出会い、それを次の世代に残していく人物になっていく。その始まりに影響を与える人物が捨松です。
――カリスマ性のようなものはどうやって出していますか。
外国での生活が長かったこと、本当に彼女の人生そのものがとても異質であること――そういうことは心に留めながら演じていますが、こう見せようと作為的にやっているわけではないんです。あれこれ考えなくても、見た目がもう1人だけ華やかなドレスを着させていただいているので、それだけでもぱっと目を引くし、説得力がありますよね。
――確かにドレスが華やかです。着心地はいかがですか。
とてもボリュームがあって、着るのに時間がかかることが大変と言えば大変ですが……帽子からレースの手袋(グローブ)まで全部身につけると気が引き締まって、毎回とても楽しく着ています。
着心地が良いかと聞かれると、ボリュームを出すために重ね着をたくさんしていて、正直重いし大変ですけれど(笑)、華やかなドレスを着ると、テンションが上がって、捨松の気持ちになれます。私自身が一番、衣装を楽しんでいると思います。
――あれだけボリュームがあると椅子に座るときはどうしているのでしょうか。
椅子に座るときは、ドレスの膨らみがあって奥に深く腰掛けることができないので、できるだけ手前に腰掛けるようにしています。ドレスに埋もれて見えないように、気をつけています。
――鹿鳴館でのダンスシーンもすてきでした。
鹿鳴館のセットは、美術スタッフから、相当な時間と予算を費やして建てたと聞いています。あれほど高い天井のセットはなかなか作れないそうで。朝ドラ史上(?)2度と立てることはないであろう豪華なセットらしいです。そこでのダンスシーンは、夫の大山巌役の髙嶋政伸さんがとても真面目な方で、私よりずっと早く稽古に入って、1人で稽古を重ねていて。現場では髙嶋さんに身を委ねるだけでした(笑)。ダンスの先生からも、鹿鳴館のダンスは女性が男性のリードに身を委ねればいいと言われていましたので助かりました。
――高嶋さんはどんな方でしたか。
いい意味で、クセの強そうなかたと思っていたのですが(笑)、共演してみると、とてもチャーミングで愛らしい方でした。撮影の合間に高嶋さんが、「僕には馬アレルギーがあるんです」とおっしゃって。「馬が近くにいると鼻がムズムズしてくるんです」「へ〜」って……(笑)。こんなふうにたわいもない話で現場が和みました。私はミュージカルが好きで、高嶋さんはミュージカルにたくさん出ていらっしゃるので、次に出演されるミュージカルの話などもしました。







