短命村では、男性が野菜を食べると笑われたために男性は野菜を食べないという習慣があったそうです。また、女性でも短命である村では、女性がほとんど畑仕事をしないのだそうで、女性が働いているのを周りの人に見られたら、主人の甲斐性がないと思われてしまう土地柄であったとのことです。
「女性は男性より長寿」
とは言い切れない?
しかしながら、きわめて興味深いことに、長寿者率が男女で同率である村が複数存在していたと記載されています。これらの村では、男女ともに同じものを食べていたという点が特徴として挙げられています。男女ともに野菜も同じように食べていたし、同じように働いていたとのことで、男性だから、女性だからという理由での生活習慣の差は全く認められなかったという事実が記載されています。
このような村があったということは、すなわち、女性が普遍的に必ず長寿になるというものではなく、男女ともに食べ物や働きぐあいによって長寿率が決まってくるという可能性を示しているとも考えられます。
日本人の平均寿命は、男性が81.1歳で女性が87.1歳であり、女性の方が男性より約6歳も長寿ですし、多くの西欧諸国では女性の方が長寿であるのが一般的です。この理由として考えられるのは、一般的に生物学的な違いと社会行動的な要因が絡んでいるといわれています。
すなわち、女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、悪玉コレステロールや血圧を下げる働きがあるため、女性は高血圧や動脈硬化、心筋梗塞などの脳心腎疾患のリスクが男性に比べて低い傾向にあります。また、エストロゲンはストレス耐性や免疫力を高める効果も期待され、さらに、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、基礎代謝量が少ない傾向があることから、エネルギー効率が良いことや、活性酸素の発生が少ないことが長寿につながる可能性も指摘されています。
一方、世界の国々の中では男女の寿命が同率である国が存在します。カタール、バーレーン、クエート、サウジアラビア、バングラデシュ、パキスタンといった国々では、男女の寿命にほとんど差がないといわれています。これらの事実は、単に生物学的特徴だけではなく、食生活を含めた生活習慣が寿命を決定しているともいえる部分があるとも考えられるため、男性にとっては長寿者になれる可能性があるという点では希望の持てる話ではないかと思います。
カボチャ、ニンジン、小魚を
食べない村は寿命が短かった
『果物野菜で100歳を生きる』(湊口信也、さくら舎)
『日本の長寿村と短命村』の衛生学的比較調査研究の結果から、長寿村では野菜を豊富に食べることが基本にあることが示されています。
逆に、当時の野菜の中心であったカボチャとニンジンを食べない村は短命村であったことが記載されています。さらに、海藻は海の野菜とも考えられていて、カリウムを多く含むことから野菜と同様にナトリウム排泄による降圧やカリウムの持つ抗動脈硬化作用が発揮されると考えられます。
また、魚は主に小魚を食べるとのことで、いわし、あじ、さばなどの小魚はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含むことから抗動脈硬化作用が強いといわれています。さらに歳をとってからでも体を動かして仕事をすることが健康に良いということは、運動が健康に良く長寿につながるとの多くの報告からも明らかです。







