「EVを3代続けた会社は、世界で日産だけ」
2010年にデビューし、3代目となった日産リーフ。
EVらしい、ガッと力強い加速感が良い。低重心でドライバビリティにも優れている。なにより静寂性が素晴らしい(参考記事)。このクルマは何を目指し、いかなる思想で造られたのか?開発エンジニアにお話を伺った。
日産オートモーティブテクノロジー 副社長執行役員 磯部博樹氏 Photo by AD Takahashi
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):日産リーフが、世界に先駆けて量産EVとして世に出てから既に16年。ついにリーフも3代目となりました。
日産オートモーティブテクノロジー 副社長執行役員 磯部博樹さん(以下、磯):そうですね。EVを3代続けて同じ車名で出している会社は、実は世界で日産だけなんですよ。
F:そうでしたか。テスラもBYDも実現していない。
磯:テスラは「モデル3」と「モデルY」がマイナーチェンジしたくらいですかね。
F:多くのメーカーがEVを立ち上げましたが、実は1台限りで消えてしまうことが多いんですね。なるほど、リーフは「世界唯一の3代目EV」である、と。
冒頭から記事のタイトルになるようなキーワードをいただきました。まずは、この3代目は何を目指してどう造ったのか。そこから教えてください。
最初からBセグのクロスオーバーEVとして企画がスタートした
磯:目指したのは「フューチャースタンダードEV」です。とにかく、“ど真ん中のEV”を造ろうと思いました。いかにもEV然とした、例えば空力優先で使い勝手を犠牲にするようなことのないクルマを造る。
普通のお客様が、普通に乗って、不満が出ないクルマにするよう心がけました。室内の広さをしっかり確保して、航続距離も長く取る。例えばもっとスポーツカーライクな、全高を低くしてヌルっと滑らかなセダンにしてしまえば空力は当然良くなります。空力を良くすれば、それだけ航続距離も延びる。そこだけを目指せばセダンにしてしまった方が性能的には良くなるのですが、今はセダンの市場がどんどん縮小している上に、やはり居室空間が犠牲になってしまう。
F:いまさらですがセダンは絶滅危惧種。やはり主流はSUVなんですね。







