磁石の位相をずらす~新モーターユニットの静粛技術
磯:さらに今回はモーターユニットそのものも新しくしています。今回のリーフは、モーターをうんと静かにしました。まずモーターをコンパクトにする。そしてひとつの筐体の中に、減速機、ローター、インバーターを全部収めました。ユニットをコンパクトにまとめると、筐体の剛性を高めることができます。剛性が上がれば、余計な振動が出にくくなる。まずそこが大きい。
新型リーフが静かな理由 Photo by A.T. 拡大画像表示
磯:もうひとつは、ローターの中にある磁石の配置です。モーターは非常に滑らかに回っているように見えますが、実際には磁石の力が切り替わる瞬間に、細かな引っかかりのような振動が発生します。感覚的に言えば、コキコキコキッという感じです。
F:ドンドンドンと押すのではなく、スッスッスッと受け渡していく。力のバトンリレーみたいなものですね。
磯:そうですね。それを実現するために、今回はローター内部の磁石の配置を少しずつずらしています。6分割して位相をずらすことで、力の出方を滑らかにしているんです。
モーターそのものが滑らかに回れば、発生する音や振動も小さくできる。さらに、先ほどのEV専用サブフレームによって、その振動を車体に伝えにくくしている。発生源を抑えることと、伝わる経路を抑えること。その両方をやっています。
F:なるほどなるほど。「エンジンがないからEVは静かだよね」で話が終わってしまいがちですが、実際には、モーターには音も振動もある。減速機にも音と振動もある。それを筐体の剛性、磁石の配置、サブフレームの構造でひとつずつ潰しているわけですね。
運転していても、モーター音はほとんど気になりませんでした。代わりに目立つのはタイヤの発生する「ゴー」というロードノイズです。これが一番気になりました。それとミラーの風切り音。
磯:そうなりますよね。静かになればなるほど、残った音が目立つんです。







