一方、「内発的動機付け」は、お金のためや損得とは異なり、内面から沸き起こる興味・関心や意欲によって行動を起こすものです。

 たとえば営業職だと、お客様が喜んでくれるのがうれしくて、役に立てていることにやりがいを感じるのは、内発的動機付けです。一方、自分の業績のために、目標達成後のインセンティブの報奨金のために提案をするのは、外発的動機付けです。

 現実には、外発的動機付けと内発的動機付けのどちらかだけで満足するというケースは少ないでしょうが、内発的動機付けに軸足を置いて活動している人のほうが本気度は持続するはずです。

外発的動機付けは
次第に効果が薄くなる

 外発的動機付けが必ずしも悪いわけではありませんが、それだけで動かそうとするのは危険です。なぜなら、慣れてしまい麻痺するからです。

 たとえば、インセンティブを出すことに最初は喜んでくれたのに、次からその金額をどんどん上げないと、動こうとしなくなったというような経験はありませんか。

 内発的動機付けに基づく仕事自体のやりがいや面白さ、社会的意義などを、メンバーに理解し感じてもらうことが重要です。

「内発的動機付け」を促す要素として、心理学者のエドワード・L・デシとリチャード・M・ライアンは「自己決定理論(SDT:Self-Determination Theory)」の中で、「人は生来、能力を発揮したい(有能感)、自分でやりたい(自律性)、人々と関係を持ちたい(関係性)という3つの心理的欲求が備わっている」と説いています。

 つまり、仕事をする中で、「自分は〇〇ができている」という「有能感」を実感でき、誰かの指示や命令ではなく自分で決定し動かしているという「自律性」を感じ、同じ目標をめざす仲間との交流や刺激をし合う「関係性」を持つことが大切なのです。

 メンバーの「内発的動機付け」を意識した関わりや環境づくりができていますか?

同じ仕事をしていても
やりがいには大きな差が生まれる

 ある若手社員から、こんな相談を受けました。

「会社を辞めようかと思っています。もっと社会に貢献する仕事がしたいです。しかし、今の会社ではできないと思うのです」