車内で死亡事故が起きた
クルマが出回ることも
なお、レンタカー店だけでなく、一般ユーザーが所有していた「人の死に関わったクルマ」が中古車販売店などに出回ることもある。
一例を挙げると、某中古車店でクルマが相場よりも安く売られており、とある一般消費者が「お得」だと感じて買ってしまった。
だがその後、その中古車店の運営業者が、中古車関連の詐欺を働いていたことが判明。不審に思った買い手が「登録事項等証明書」(※)の保存記録を取得して前オーナーに確認したところ、前オーナーがこのクルマを運転中に事故が起き、乗っていた子どもが亡くなっていたことが判明したという。(詳細は著者が執筆した『くるまのニュース』記事を参照)
※注:自動車の所有者・使用者の情報や、過去の所有履歴などを記載した公的書類。
また、必ずしも人命が失われているとは限らないが、以前は大事故などに巻き込まれたクルマの公的書類を悪用し、盗難車を“合法のクルマ”に見せかける手口も横行していた。
例えば30年以上前、業者オークションの「事故車コーナー」に、燃えて“鉄の塊”のような状態になった国産高級車が出品されたことがある。それが何と、100万円という高値で買い取られた。この他にも、当時はそこそこの高級車が、事故によって「鉄くず状態」と化したにもかかわらず、高値で取引されることがあった。
写真はイメージです Photo:PIXTA
購入者の目的は何だったのか。もちろん、燃えカスや鉄くずと化した事故車に何百万円もの修理費を投じ、使える状態まで復活させることではない。
購入者が欲しかったのは、車検証や登録情報などの「公的書類」である。廃車寸前のクルマと同じ型式の盗難車を用意したうえで、盗難車の車台番号を除去し、事故車の車台番号を貼り付ければ、書類上は「合法」に見せかけることができるのだ。
このように、車台番号を貼り替える行為は通称「目玉抜き」と言われ、盗難車を流通させる手口としてはおなじみだった。この手法で書類を移植すれば、どこかから盗んできた“書類ナシ”の高級スポーツカーを売り物にすることも理論上は可能だった。
現在は、オークション業者側のルール厳格化などによって、露骨な「書類狙い」の出品はほぼ存在しなくなった。とはいえ、完全にゼロになったわけではなく、海外の業者との取引や、個人レベルでの売買で使われる“闇ルート”として残っているとみられる。







