表現は悪いですが、ヒット曲というのはゲテモノなんですよ。みんなが「え!なにこれ?」と思うもの。馬飼野さんと僕は、とにかく人が首をかしげるようなものをつくろうと考えていました。
櫻井(翔)くんがいるから、とりあえずラップは入れる。でも「アイドルの曲にラップはありか」「子どもたちが聴いても問題ないと親が許してくれるラップってどのレベルなんだろう」と試行錯誤しました。まったく違うジャンルの3曲を合体させるのも前例がなかった。だから時間がかかったんです。
なんとか完成したものの、僕も馬飼野さんも「売れる!」という確信は持てませんでした。いい曲なのか悪い曲なのかもわからない(笑)。でもタイムリミットが迫っていて、「とりあえずやるしかない」と仕上げました。いざフタを開けたら、けっこうなヒット曲になってくれましたけれど。
嵐が20年以上続いた
本当の理由
そもそも嵐はメンバーが決まるのも遅かったし、とりあえずバレーボールワールドカップの開催期間中、3カ月は続けようという形でスタートしたグループです。まさか20年以上続いて、彼らの人生をこんなに変えることになるとは、本人たちも僕たちも予想していませんでした。
それまでのアイドルは3年か5年で人気に陰りが出て、独り立ちして俳優になっていくのが通例。SMAPもそうだけど、グループのまま何十年も残るってすごいことなんです。僕はSMAPや嵐が時代を変えたと思っています。
『ヒットのつくり方』(鎌田俊哉、アチーブメント出版)
嵐がほかのグループと異なるのは、メンバー同士の仲が本当にいいところ。それ以外のグループが特に仲が悪いというより、普通はごはんを食べに行くときってみんなバラバラなんですよ。仕事でもう十分、一緒に過ごしているから、ごはんぐらいはそれぞれの時間を過ごすのが当たり前。もしくは少人数ずつに分かれる。嵐はそれがなくて、いつも一緒だし、いつもほのぼのしているんです。
なぜかというと、一番年上でリーダーの大野(智)くんが偉そうなことを言わないから。年下のメンバーがなにかやりたいことがあるとき、「大野くん、いいよね?」と聞くと、大野くんはいつも「いいよ」と答えるんです。勝手なことや高圧的なことを言う人がいないから、空気がずっと平和。その仲のよさに女の子たちも癒やされたんじゃないでしょうか。
尖ってもいなければ、ギラギラもしていない。「俺が、俺が」タイプもいない。むしろ「僕はいいから、君がセンター行けよ」と言う人ばかり(笑)。そこがそれまでのアイドルと違ったんです。
だからこそ、彼らの曲は老若男女に愛されるんだと思います。年配の人が見ても「かっこつけててイヤな感じ」と思わないし、むしろ「この子たちが息子だったらいいな」と感じる。同世代なら親近感がわいて友達みたいな気分になれる。







