東京多摩の2027年最注目校
前回、聖ヨゼフ学園の開智学園系列校化に絡めてカトリック校の課題について冒頭で触れたが、東星学園中学校・高等学校(清瀬市)も2008年に中学から男女共学化が始まったカトリックの小規模校である。元女子校ということもあってか、女子は男子の3倍強在籍している。小学校48人、中学校35人、高校100人をそれぞれ募集しているものの、高校卒業者数は24年40人、25年32人とだいぶ少ない。23年10月から高大連携協定を結ぶ上智大学には2人ずつ進学している。
中高の新校長となった濱邊稔氏は小学校の校長も兼ねる。潜伏キリシタン関連で世界文化遺産に登録された長崎県五島列島の久賀島に生まれ、先祖代々受け継がれてきたカトリック信仰に包まれて育った。大学卒業後、2年間の九州のカトリック校勤務を経て、聖ヨゼフの数学科教員として26年間、うち8年間は事務長も務めている。カトリック校生き残りのカギは学校経営を担う人材の確保にあり、事務長の経験は意外と重要である。
27年話題校の一つとなりそうなのが、共学化して「吉祥寺湧水(ゆうすい)」に校名変更予定の藤村女子中学・高等学校(武蔵野市)だろう。中学では、一般6回、英語とダンスを各2回、総合型1回と多くの入試回を設けて60人を募集していた。とはいえ、実際の在校者数はだいぶ少なく、学校改革待ったなしの状況にある。学校説明会には500人が集まったともいわれ、保護者から注目されているようだ。
新校長となった菊池健太郎氏は、東京芸術大学芸術学部建築科卒業後、新卒で学校法人に入り、29歳で教育系のスタートアップ、EdTech企業での事業責任者などを経て、23年学校法人井之頭学園の理事となった。その幅広い経験から、「学校は、その子の人生に何を残せるのか。子どもたちは、何のために学ぶのか」を問う。校舎建て替え期間中、JR三鷹駅近くに設けた仮校舎で授業が行われるが、その意匠や内部設計にも知見が生かされているようだ。
副校長には、明星大学卒業後、LINE、NAVER、NTTドコモを経て25年に藤村女子の国語科・アートプロジェクトマネージャーとして加わり、教頭となった苔口陽(こけぐちよう)氏が就いた。24年から学園理事長と中高校長を兼任していた創立者一族の高橋あゆち氏と共に、この異色コンビがどこまで藤村トヨの創立した伝統校を盛り返すことができるか注目されていたが、6月1日付で理事長は事務局長の内山啓太氏に交代、高橋氏は名誉理事長となり一線を退いた。







