プロパー教員の昇格は少ない埼玉

 埼玉県では5校で校長が交代した。甲子園の常連校としても知られる浦和学院高校は浦和学園中学校(さいたま市緑区)を2026年に新設したばかりだ。初代校長となる林洋平氏は経済学部に学び、3年次にロンドンで1年間留学を経験、英語教育に魅了され、卒業後に編入学した東洋大学文学部で教員免許を取得。千葉県立高校の英語科教員となり、私立中高一貫校に転じた後、08年から浦和学院高校に。24年には教頭となった。中学新設を機に、設立母体である学校法人も、明星学園から元気共生学園に名称を変更している。

 武南中学校・高等学校(蕨市)では、早稲田大学第一文学部卒の英語科教員である利根川典子氏が校長に就任した。県立伊奈学園総合高校の校長を務めた遠藤修平校長と、同校卒業生で県立越谷東高校校長と川口市立高校副校長を務めた鶴見秀海教頭の元県立校コンビからの交代となる。

 獨協埼玉中学高等学校(越谷市)の新校長には小平茂氏が就いた。獨協姫路高校から青山学院大学に進んでいる。21年に就任した前校長の尾花信行氏は獨協大学外国語学部英語学科出身の英語科教員だった。在任中に獨協医科大学への系列校推薦制度(約10人)が始まったものの、多くは男子校の獨協中学・高等学校(東京・文京区)から進学しており、同校の奮起も期待される。

 校長就任含みの副校長人事にも触れておこう。昌平中学校・高等学校(杉戸町)には、東京大学と京都大学の合格実績で躍進した西大和学園中学校・高等学校(奈良・河合町)に25年間勤め、校長を務めた後、系列の大和大学に移った飯田光政氏が、再び中高の教育現場に戻ってきた。51歳、なじみのない関東の地に、単身赴任での初めての転職となる。

 女子人気が高い星野学園中学校(川越市)では、創立130年の節目に、渡邉朋子氏が10年間務めた中学教頭から昇格している。前身である星野女子高等学校の卒業生で、大学卒業後、母校の書道教員となる。顧問を務めた全国大会に参加するほどの書道部は、部員100人を超える人気だったという。

「私立学校は学校が100あれば100の校風がある、星野学園の校風をしっかりと理解してください」と着任時に言われた言葉は、2000年開校の中学校長も兼ねていた星野誠・学校法人星野学園理事長によるもの。中学は1期生からホームステイを含む海外修学旅行を実施、iPadの導入も早く、ICT教育、性教育にも丁寧に取り組む。学園には幼稚園、小学校と男子校の川越東高等学校もある。女子部と共学部がある星野高等学校の校長は松田友宏氏。

 東京成徳大学深谷中学校・高等学校(深谷市)では、前任の石川薫氏から3年で校長が交代することに。「学校の財産は教師の熱意、これに勝る価値はない」と語る新校長の青木孝夫氏は、埼玉県立高校の社会科教員から教頭・校長を経て、県立総合教育センター所長、県教育局部長として教育行政にも携わった。十文字学園女子大学で教員養成に携わりつつ、インクルーシブ教育及び主権者教育の充実に関する研究に取り組んでからの就任である。