わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】#5

首都圏の中学受験における、直近2026年入試のトピックの一つが、絶対王者サピックスの失速と早稲田アカデミーの躍進だ。早稲アカというと、子どもたちが鉢巻きを巻いて「エイエイオー!」という体育会系のイメージが強かったが、広告戦略を変え、さらにコロナ禍を契機に、筑駒や開成、桜蔭、聖光、渋幕など難関校の合格者数を一気に伸ばしている。特集『わが子がもっと伸びる!中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#5では、昨年に創立50周年を迎え、勢いに乗る早稲田アカデミーの山本豊社長に次なる戦略と、「サピックス超えをする日」を聞いた。今回はインタビューの「前編」をお送りする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

26年入試の難関校の合格実績で
サピックスを猛追!その理由とは?

――昨年2025年入試の早稲田アカデミーとSAPIX(サピックス)の合格実績を比較すると、例えば筑波大学附属駒場(筑駒)で早稲アカはサピックスにほぼダブルスコアの差をつけられ、また開成もほぼ100人差をつけられていました。しかし、今年26年入試では、筑駒はサピックスの85人に対して早稲アカは57人に、開成もサピックスの229人に対して早稲アカは179人に迫るなど、サピックスの減少分を早稲アカが埋めるように伸びています。これは最難関校をターゲットとして合格者数の増加を狙ったのでしょうか。

 それらの学校を狙っているということではありません。男子校も女子校も共学も、最難関であったとしても、それに次ぐ難関校であったとしても、特定の学校に力点を置くということはなく、全体的にしっかりと伸ばしていこうという方針の中で、(トップ校の合格者数が)結果的に伸びてきているという感じです。

――次回の27年入試以降も、この勢いは止まらないとみていますか。

 この3年間、(難関校の合格者数が)ぐっと伸びていますよね。その理由を振り返ってみると、やはりコロナ禍の影響が大きかったと思っています。ちょうど新型コロナが流行し始めて、各塾が対面の授業が中断する中、私たちがいち早くオンライン授業を導入し、対面と同時並行する形で授業を継続しました。あのとき、他塾に先駆けてそうした取り組みができたことで、保護者の方々に「早稲アカだったら安心だ」という認識が一気に広がりました。

 当時の小学1~3年生の受験期が、この3年間の大波に重なっています。つまり、コロナ禍の際、(受験のための通塾が本格化する)新小3あたりの保護者の皆さまに、塾の第一選択として早稲アカを選んでいただいたのかな、というのがベースにあると考えています。

山本豊・早稲田アカデミー社長やまもと・ゆたか/1963年長野県生まれ。87年早稲田大学卒業。学生時代からアルバイト講師を務めた早稲田アカデミーに入社後、入社4年目の91年に旗艦校「早稲田校」校長に抜てき。2003年取締役運営部長、16年常務取締役運営本部長、19年専務取締役運営本部長などを経て、20年3月より現職。

――確かにコロナ禍の当時、サピックスが入塾者を絞った一方で、逆に早稲アカは拡大路線を取りましたね。

 ええ。ただ原石は磨かないともちろん光らないので。大切にして、鍛えて、いかに品質の高い授業をして成績を伸ばしていくか、ということに取り組んできた結果、この3年間の大きな伸びにつながってきているのかなと。

 もちろん今年の入試は「サンデーショック(東京都と神奈川県の私立中学校入試の解禁日である2月1日が、キリスト教の「安息日」である日曜日に重なることでプロテスタント系の学校の一部が入試日を変更すること)」があり、女子校が通常の年よりも多めに合格者を出したという側面もあるのですが、その割合を大きく超えて合格者数を伸ばすことができたので、来年以降も伸ばせると思っています。

 その理由として、まず各学年の在籍者数を見ると、今年受験した6年生(現中学1年生)と比べて、27年入試を受験する新6年生の方が多く、さらに新5年生や新4年生も、その新6年生を上回る在籍者数がいることが挙げられます。

――在籍している生徒数に比例して難関校の合格者数が伸びていく、という見立てですね。

 はい。次に26年入試の際立った特徴として、入試が終わった後の「入試報告会」というイベントへの参加者数が激増しました。中学受験をお考えの保護者の皆さまが、どこの会場も満席になるくらいいらっしゃって、早稲アカへの注目度や期待度が高まっていることを実感しています。

 そして最後の理由は、早稲アカの看板講座である6年生対象の「NN(何がなんでも)志望校別コース」の前期講座が4月から始まりましたが、その受講には試験を突破する必要があり、その試験の受験者数が昨年比で15%以上も激増したことです。

――難関校の合格者数をいつまでにどれくらい伸ばす、もしくは合格実績でサピックスを超える、といった目標はありますか。

 私たちが合格実績の目標としている難関の中高一貫校、例えば筑駒や男女御三家であるとか、早慶付属各校であるとか、そうした学校の合格者数の数値目標について、明確に社内でいつまでという期限を切っているわけではありません。

 ですが、お子さまをお預かりしている以上は、そうした難関校にできるだけたくさんの生徒を受からせたいので、実績もどんどん出していきたいとは思っています。

 その流れの中で当然、ゆくゆくはサピックスさんを追い抜きたいという目標は明確に持っています。その目標達成が計画と比べて早巻きになっているかどうかというと少し微妙なところですが、ただ、この3年間、一気に難関校の合格実績の伸びが加速してきているのは間違いないので、手応えを感じています。

――御三家や難関校の実績において、いつ頃までにサピックスを追い抜くとみているのでしょうか。

 実は早慶付属に関しては、ついに26年入試でサピックスさんを逆転してナンバーワンになりました。ですから次は当然、御三家ですよね。その時期はというと……。

次ページでは、早稲田アカデミーの山本豊社長が予測する、御三家の合格者数で悲願の「サピ超え」を達成する具体的な“時期”を明らかにする。その驚きのスピードとは?

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御三家でもサピ超えへ!その日はいつ?

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