もちろん、この段階にとどまっていては、上達は限定的なものになります。成長を続けるためには、段階的に難易度を上げていく必要があります。段階的に難易度を上げていくプロセスにおいて、「頑張れば勝てるかもしれない」相手と戦うことの重要性を訴える藤井氏のメッセージは、成長における難易度設定の重要性を端的に示しています。

ちょうどよい難易度を
判断する目安とは

 難易度がちょうどよい状態になっているかどうかは、次の目安で判断してみましょう。

【試行錯誤の余地があるか?】

 どうすればよいかわからずに手が止まったり、思考停止してしまったりということがなく、自分なりの試行錯誤ができる状態

【人に頼る必要があるか?】

 マネジャーや同僚に対して、相談や議論が一切発生しないようなレベルだと易しすぎる可能性があるため、適度に周囲を頼ることが必要な状態

【成長実感があるか?】

 取り組みながら、以前に比べて「できることが増えつつある」という、現在進行形の成長を感じられる状態

【一定の不確実さがあるか?】

「いつも必ずうまくいく」「いつも必ずうまくいかない」いずれでもなく、適度にランダムな状態

 たとえば、マネジャーがあるメンバーに任せているA社とB社とC社、3社のお客様がいたとして、このチェックリストに照らしてみたら下図のような結果だとします。

図表:あるメンバーの担当状況(例)同書より転載 拡大画像表示

 この場合、A社については、いずれの項目も「ある」になっており、ちょうどよい難易度です。このまま本人がA社を担当することにより、このお客様との取引規模も大きくなっていくでしょうし、このメンバーの成長にも寄与する案件であると言えます。