子どもへの指摘イコール自分への指摘だと感じて受け入れ難く、瞬間的に「え?なんでですか?そんなことはないと思うんですけど」と言ってしまう。でも、あとで冷静になってみて「先生のおっしゃるとおりでした」と伝えてくださる方もいます。

自分の基準を無理やり
わが子に当てはめていないか

 わが子を「自分の作品」のように捉えてしまうと、なかなか客観的になることができません。すると、自分が描いたつもりのない表現が出てきたとき、「間違っている」と思ってしまいがちです。しかし本来、子どもは親とは別の人格を持った人間です。親の思い通りに成長するわけではありません。生まれ持った性質も人それぞれです。

 たとえば親自身が競争好きで負けず嫌いであっても、子どもは「競争したくない。負けてもかまわない」と思っているかもしれません。そこは観察によって客観的に受け止めるべきなのです。「お子さんは競争が苦手で、『勝ちたい』という気持ちはあまりなさそうですね」と周囲の人に言われたときに「いいえ、本当は勝ちたいんです!」と親が必死になるとしたら、主観的になりすぎていると言えるでしょう。

 そして、家に帰ってから「どうしてあなたは絶対に勝とうと思わないの?そういう子はママ嫌いよ。今度からもっと根性出して頑張りなさい」などと子どもに言ってしまうのは、まさに自分基準の「かわいい」に子どもを当てはめようとする例です。

子どもの脳を育てるために
規則正しい生活を

 子どもを親の主観的な「かわいい」に当てはめてしまう危険性から抜け出すためには、子育てに関する正しい知識を持っておくことが大切です。子どもの脳が育つステップについての知識は、とくに重要です。人間の基本的な動きを支える「からだの脳」が育っていなければ、「おりこうさんの脳」(編集部注/主に大脳新皮質を指す。知能、言語機能、知覚、運動能力などをつかさどる脳)もうまく育たないことは、小児発達学の視点からは当たり前のことです。