同年、生産拡大を実現するために、キャンドラーは事業パートナー(トーマスとホワイトヘッド)と次のような契約を交わしました。
(1)瓶詰にはコカ・コーラの原液だけを使う。
(2)清涼飲料水売り場(アメリカ独特の薬局での「ソーダファウンテン」形態等)の運営はコカ・コーラ社の独占事業とする。
これにより、まず品質の標準化に成功し、全米どこでも同じ味のコカ・コーラを提供できるようになりました。そして、この仕組みではコカ・コーラ社がパートナーに原液をガロン当たり1ドルで売ります。
事業パートナー(トーマスとホワイトヘッド)は、「瓶詰親会社(親ボトラー)」となり、瓶工場建設の資本も持った企業家(現場ボトラー)と利益を折半します。下請け瓶詰業者は安価な児童や黒人の労働力を使用しました。
つまり、コカ・コーラ社は、「瓶詰権」をベースにしたフランチャイズ制を開発したのです。この制度により、コカ・コーラの原液はパートナー企業に販売され、各地で瓶詰めされ、コカ・コーラ社自体は追加出資することなく売上を拡大することができました。
私たちが日本で飲んでいるコカ・コーラは、アメリカで作られたものを輸入しているわけではありません。日本国内のいくつかの会社が役割分担して作っています。
まず「原液」は、アメリカ本社「ザ コカ・コーラカンパニー」の日本支社である「日本コカ・コーラ株式会社」が、滋賀県の守山工場で「あの」レシピに基づいた原液を作っています。
この原液に炭酸水などを加えて缶やペットボトルなどに詰め、販売しているのが、各地域にある「ボトラー」と呼ばれる会社群です。つまり、原液を作る会社と、最終商品を売る会社が分かれているという、アメリカと同様の分業制を取っています。
日本のシステムは、1950年代の導入時、外資による市場独占を警戒した日本政府の意向もあり、地元の有力資本にフランチャイズ権を与えました。日本全国をいくつかの地域に分け、それぞれのボトラーが「その地域でだけ」販売する権利を持ちました。







