人の気持ちは置かれている状況によって揺れ動くものでもあるので、今この瞬間どうやって相手を褒められるか見つけ出すために、すごく脳を使っているのです。
では、褒められた側の脳はどうなっているのでしょうか。
言葉で褒められたときに脳の中で何が起こるかというと、面白いことに宝くじに当たってお金をもらえたときと同じ反応をしているのです(Izumaら Neuron 2008)。脳にとってのご褒美は、言葉であろうとお金であろうとなんであろうと全部同じで、「報酬系」という回路が活発に働くということがわかっています。
日常の「その服、よく似合うね」「このシチュー、すごくうまい!」そんな何気ないひと言が、相手の脳に宝くじで大金が当たったぐらいのインパクトを与えているのかもしれません。
褒めるのは照れてしまう、どうもうまく口にできない。そんなときはちょっとしたシチュエーションで「ありがとう」、「助かった」そんな感謝の気持ちを伝えることから始めてみてはどうでしょうか。
批判や皮肉が
認知症リスクを高める
自分の親に久しぶりに会った際、なんだか昔よりも愚痴っぽくなったと感じたことはありませんか?ほかにも、こちらがよかれと思って提案したことを頑として受け入れてくれない……なんてこともあるかもしれません。
「年をとると頑固になる」「愚痴っぽくなる」と言われますが、これには加齢によって前頭前野の機能が低下することが関係しています。前頭前野は感情をコントロールしたり、物事の善悪を判断したり、高次な精神活動を司っているのですが、衰えると情動の抑制が効かなくなり、他者の意見を受け入れにくくなるのです。
閉じられた環境で自分の意見が常に正しいと思っていると、他者に対してだんだんと批判的になっていきます。年をとったから仕方ないと思ってしまうかもしれませんが、批判や皮肉が認知症リスクを高めるということが明らかになっています。
フィンランドの研究者が、「高レベルな皮肉や不信感を抱く人々は、認知症のリスクが高い」という研究結果を発表しました(Nuevonenら Neurology 2014)。







