平均年齢約70歳の認知症検査を受けた人たちを対象に、皮肉のレベルを測定するアンケートを実施し、追跡しました。すると、皮肉や不信のレベルが高い人ほど認知症発症のリスクが高まることがわかり、不信のレベルが低い人は、高い人と比べると、3分の1のリスクに留まることもわかりました。

SNS頼みのコミュニケーションも
皮肉・批判を生む要因の一つ

 皮肉屋になったり批判的になったりするのは、もちろん、もともとの性格や長年の思考のクセによるところもありますが、スマートフォンやタブレットを使ったSNS頼みのコミュニケーションも、要因のひとつとして挙げられるかもしれません。

 暇つぶしや情報収集のために始めたSNS。気がついたら、手が空いたときにいつも見てしまっている……といったことはありませんか?そんな人は要注意です。

 SNSで自分と似たような価値観や考え方の人と「いいね!」をつけ合い、フォローをしていると、考えを同じくする情報やニュースばかりが表示されるようになります。

 これは「エコーチェンバー」という現象ですが、実際はごく一部で支持されている偏った考え方や、間違った情報だとしても、エコーチェンバーの閉じられた空間では、それがすべての世界であり、正解だと思い込んでしまう危険があります。

 学校や勤務先など、リアルな世界や異なる意見の人がいるコミュニティに関わっていれば自分の偏りを修正することができますが、高齢になったり、引きこもりがちになったりして所属する組織がなくなると、偏りを自覚できず、違う意見を受け入れられなくなってしまうのです。そうした状態が、人や物事への不信感や批判的な気持ちにつながってしまいます。

 あまりに人に対して不信感を抱き、批判的な気持ちになったときは「自分は大丈夫かな?」と見直してみてください。

「キレる高齢者」に
ならないために

 昨今「キレる高齢者」や「暴走老人」といったような言葉を耳にすることがあります。高齢者による暴言や暴行を取り上げたニュースを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。実際に、傷害や暴行で検挙される65歳以上の高齢者の数は、年々増加傾向にあるそうです。