高齢者介護の施設にはさまざまなタイプがある。特別養護老人ホームなどの公的施設、有料老人ホームなどの民間運営の施設に大きく分けられる。これらに入居するときにかかる費用の目安、入りやすさはどうか?特集『決定版 後悔しない「認知症」』(全25回)の#15では、後悔しない介護施設選びのための基礎知識を解説していこう。(ダイヤモンド編集部 小栗正嗣)
特養、老健、有料老人ホーム……
親の「入りたくない」への正解はあるか
「施設には入りたくない」
「在宅介護はもう無理。施設に入ってほしいのだけれど……」
介護は、親にとっても子にとっても難しい選択を迫る。家族が負い目を感じて、無理を続ける必要はない。だが、嫌なことを強要されるのは、誰しもが不愉快に感じる。納得し難いのも当然だろう。
子にとって何が正解なのか。どうすればいいのか。ケアプランナーみどりの原田保代表はこうアドバイスする。
「まず、親が拒む感情を理解してあげること。“嫌なのはよく分かる”と話をした上で、入居することによってどのようなメリットがあるのか、具体的に伝えていくのがよいと思う」
後悔しないためには、まずはこうしたやりとりを厭わないことが大切だ。
高齢者介護に関する施設は、特別養護老人ホーム(以下、特養)、介護老人保健施設(以下、老健)といった公的施設と、介護付き有料老人ホーム(以下、介護型)、住宅型有料老人ホーム(以下、住宅型)といった民間施設に大別される。
次ページでは、高齢者向け施設の特徴、かかる金額の目安を順に見ていこう。初期費用、居住費、食費、その他費用を含めた月額の目安と注意点をまとめた表も併せて参照してほしい。