債券は定期的に利子が支払われ、満期時には元本が戻ってくる商品のため、「預貯金のようなもの」と認識している人も多い。

 しかし、実は預貯金と大きく異なる特性を持つ。債券は、預金と違って値動きがあるのだ。

 ごく簡単に仕組みを説明する。

 手元に金利2%の債券がある。債券の金利は発行時に決まり、満期まで変わらない。

 新たに3%の債券が発行されるとどうなるか。2%より3%の利子のほうが魅力的なので、3%の債券を買いたい。そのために既存の2%の債券を売却しようとすると、安くしないと売れないため、価格が下落するわけだ。

 逆のケースもある。新たに発行される債券が既存のものより金利が低いと、金利の高い既存の債券のほうが魅力的なので、価格は上がる。

 こうした仕組みを踏まえて、新聞記事には、「長期金利上昇(価格は下落)」または「長期金利下落(価格は上昇)」と金利と価格はセットで書かれている。

リスクを分散したかったのに……
「100万円の評価損」を招いたワケ

 投資信託の話に戻そう。

 長らく続いたマイナス金利政策が終了し、「金利のある世界」に戻りつつある今は「長期金利上昇(価格は下落)」の状況だ。

 つまり、債券ファンドとバランス型ファンドは、債券の値下がりにより、評価損になっているケースが多い。

 バランス型ファンドは、株式の分はプラス、債券の分はマイナスとなり、ファンドとしては大きくマイナスとはならなくても、「ほとんど増えていない」ケースもよく見かける。運用成績は、いつ、いくら買ったのかによってケースバイケースだ。

 冒頭で紹介した「100万円を超える評価損」を抱える投資信託は、「4資産均等バランス型ファンド(為替ヘッジありコース)」だった。

 このファンドは、日本株、日本債券、外国株、外国債券の4資産を25%ずつ均等に投資するタイプの商品。値動きの主な要因は、株式の価格変動リスク、債券の価格変動リスク、為替変動リスクである。

 金利は世界的に上昇局面で債券価格は下落しているが、株価が好調ならマイナスにはなりにくいはず。為替も円安なので、プラス要因だ。では、なぜ100万円を超える評価損になるのか。