この一件もあって、「ハゲタカファンドが日本を荒らす」といったイメージが定着したといっても過言ではないだろう。
埼玉県所沢市 西武球場前駅前広場 Photo:PIXTA
特に不安なのは…京成か
ディズニー株が問題視
さて、冒頭の表の中で筆者が最も注目しているのが、京成電鉄だ。同社は一時期、モノ言う株主であるパリサーから、東京ディズニーランド・シー運営企業であるオリエンタルランド株の売却や、非上場化が提言されていた。
現在、提言は却下されパリサーは出資比率を大幅に減らしている。しかし筆者は、京成電鉄は再びアクティビストの標的になりかねないと考える。
Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages
というのも同社は、訪日外国人(インバウンド)の増加による京成スカイライナー(成田空港~日暮里・上野)の需要増などもあり、鉄道事業が極めて好調だ。しかしオリエンタルランド株の影響をバランスシートから除外すると、PBRは約0.7倍と、上場企業にしてはかなりの安値になる。
京成電鉄はオリエンタルランドの筆頭株主として約20%の株式を保有。その含み益は数兆円規模に達する。しかし、京成電鉄の時価総額がこの含み益を下回ることが多く、実態よりも企業価値が低く評価(コングロマリット・ディスカウント)されていると長らく指摘される。
京成電鉄の東京都側の沿線では、京成押上線の高架化や京成立石駅周辺の再開発など大型プロジェクトが進んでいる。しかし多くは自治体の支援によるもので、東急のように京成が主体となって取り組む案件は少ない。
本業での投資もまだ足りないと思われる。例えば、京成本線と北総線(成田スカイアクセス線)の分岐駅で、ピーク時には1時間に40分超も遮断機が下りたままの「開かずの踏切」である京成高砂駅付近の立体交差化も必要だろう。
京成本線の千葉県市川市や八千代市の沿線は高齢化が深刻で、新たな街づくりをしないと乗客は減少の一途をたどるばかりだ。成長戦略を描き積極投資をすることが、アクティビスト対策となり得るだろう。







