外国人株主に反論
JR東海・葛西氏の言葉

 ただし、やたらと再開発プロジェクトを乱立させても、結果的に集客できないガラガラの商業施設を大量生産することにもなりかねない。実際に東京や大阪の一等地と言われる場所で、鉄道会社が再開発しても悪評が絶えない商業施設が存在する。

 また、今は人員や資材の高騰で建設コストが爆上がりしている。新宿駅や名古屋駅、博多駅といった主要ターミナルの再開発ですら、建設費高騰による大幅な延期に追い込まれている。

 こうした事情を踏まえると、不動産開発は難しくなっているのも事実だ。そして何より重要なのが、安全運行に関する投資は絶対に怠ってはいけないということだ。

 かつてJR東海で社長・会長を務めた葛西敬之氏は、「他の鉄道会社に比べて、短い年数で新しい車両に交換してしまうのはなぜか?」と疑問視した外国人株主に対して、「我が社は株主利益をもちろん大切にするが、それ以上に大切なものがある。乗客の安全です」「会社の経営方針に納得できないのならば、株を売れ」と冷静に返答したという(※参考文献)。

なぜ鉄道会社は「モノ言う株主」に狙われる?「東京ディズニー筆頭株主」も再び標的となるかかつてJR東海の葛西氏は外国人株主に対して、新幹線の安全運行を最優先させる旨を反論したという (写真はイメージ、2012年撮影) Photo:Mail Today/gettyimages

 アクティビストをはじめとした株主への対応と、鉄道会社としての使命をどのように両立させるか。鉄道会社の経営手腕がいっそう問われている。

◆参考文献
特集「不動産メタボ企業」が危ない(日経ビジネス2026年4月6日号)
「納得できないなら株を売れ」JR東海が株主に突きつけた一言の真意(ITメディア2026年3月13日)