電動キックボードLuupで事故補償が減額されていた…!専門家が指摘する「2大問題点」とは?電動キックボードは構造上、危険な乗り物なのに、免許不要・ヘルメット努力義務で乗れてしまう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レンタル電動キックボード最大手Luupが、4月から利用者への事故の補償を減額していました。事業は拡大しているのに保障が薄くなるのは残念なこと。6月には死亡事故が発生しています。同社の監査役には元警視総監が就きましたが、今度こそまともな方向に改善されることを願います。海外ではレンタル禁止、利用禁止の例も。日本でも見直す機会です。(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)

Luupで死亡事故が発生
頭部を強打が致命傷に

 6月はじめ、東京都北区の路上でLuup社の特定小型原動機付自転車(電動キックボード)と軽貨物車が衝突し、Luupを運転していた62歳の男性が死亡しました。男性はヘルメットを被っておらず、頭部を強打したことが致命傷になったと報道されています。亡くなった男性に謹んで哀悼の意を表します。

 筆者は以前から、Luupの存在自体に懐疑的な立場でした。過去記事『電動キックボードで「飲酒運転」続発、レンタル最大手Luupの監査役に元警視総監が就任する狙いとは?』では、利用者の順法精神が低く横暴な運転が目立つこと、交通ルールや安全運転の観点では「変だなあ」と思うことが多いこと、Luupが監査役に元警視総監を迎え入れたことなどを書きました。

 今回、Luupについて改めて問題提起したい点が大きく2つあります。まず、電動キックボードが16歳以上であれば「運転免許が不要で乗れる」という点です。動力のある乗り物を無免許で運転できる制度は、どう考えてもおかしいです。

 電動車いすやシニアカーなど低速でしか動かない乗り物ならまだしも、Luupは最高速度が20km/h出ます。20km/hというのは、箱根駅伝で走る選手の速度と同じレベル。一流アスリートだから出せる速度で、白バイやクルマ、トライク(3輪バイク)などで先導や追走を行うレベルの速度です。