落合:田中さんは仕事でも日頃の生活でも、AI、インターネット、PC、携帯電話などを使わない。過剰な「つながり」を拒否して、孤独を保つためにそうしているのですか。
田中:偉そうなことを述べてしまいましたが、かく言う私がインターネットやAIを使わない生活をしているのは、必要に駆られなかっただけで、思想や主義主張に基づくものではありません。
ただ、たまたまそうした機器を使わずに生きてきた身から眺めると、いまの皆さんの様子が文明の利器や、とにかくつながっていたいという考えの奴隷になっていないでしょうか?だいじょうぶですか?そんな疑問が浮かぶのです。スマートフォンの画面に一喜一憂し、四六時中鳴る通知音に支配されている姿は、傍から見るとすこし滑稽にも思えるものですから。
AIの中にいるのは
政治家?サラリーマン?
落合:文明の速度を爆上げしている張本人、AIと対話してみますか?立ち上げますから、これでどうぞ。(スマートフォンのChatGPTに向かって)……いま、小説家の田中慎弥さんがここにいるから、お話ししてみてよ。
AI:こんにちは。もちろん、喜んでご一緒します。何か特別に話したい話題があれば、遠慮なく教えてください。
田中:ええ……、じゃあ、いまの政治の状況についてどう思いますか。
AI:そうですね。政治の状況は日々変わるので、いろんな視点から柔軟に考えていければと思います。
田中:私はいまの保守的な流れをちょっと怖いなと思っているんですけど、それについてはどうですか。
AI:なるほど。そういう視点をお持ちなんですね。じゃあそのあたりを少し掘り下げてみましょうか。
田中:こういうものですか。AIというのは人間味がないという声を聞きますが、この空虚なまでの愛想のよさは、逆に人間臭い気がします。どこか上司の顔色を窺うサラリーマンや、当たり障りのないことを言う政治家のような、妙なリアリティがある。







