2.ゼロにするには、追加CR(コスト削減)が244(=60+184)必要だが、どのようにするのか
 (田中氏)184はODMへの部材の押し込み(9月と同規模)、60は通常分で

3.184 ODMへ押し込むとなると、何か月分か
(田中氏)計算中だが2ヶ月まではいかない。1.数か月分

4.もし、監査等で指摘されたらどう説明するのか
 ……春雪対応(やや苦しい?)。3月は対外的にもっと説明できない(原文ママ)

『東芝 転落の深層――経営不祥事と裁判』久保 誠『東芝 転落の深層――経営不祥事と裁判 』(朝日新聞出版

 私は、東芝側が裁判で提出した上記のメールを読んで本当に驚いた。内容はバイセル取引を利用した意図的な利益の嵩上げの相談に読めるからである。まさに西田社長からの利益目標必達の強い意向を忖度した意図的な利益の嵩上げである。第三者委員会報告書も、バイセル取引はカンパニーのカンパニー社長が主導する「意図的な利益の嵩上げ」であると断定している。

 しかし第三者委員会報告書は、この当事者たちのメールを取り上げることをしなかった。一方裁判でも東芝は提訴していない上席常務下光〈PC社〉カンパニー社長に対し、事実関係を問いただすことは一切なかった。そればかりでなく東芝は、「意図的な利益の嵩上げ」には全く触れようともしなかった。

 そして、下光氏と田中氏は裁判で「意図的な利益の嵩上げ」に関しては強く否定している。また、当時の〈PC社〉経理部長は2008年2月時点と同じ人物で、問題等見つかった場合にはすぐ連絡するようお願いしていたが何もなかった。

 さらに2015年7月第三者委員会報告書公開後、歴代の〈PC社〉経理部長からバイセル取引とのかかわりに関して文書を提出してもらったが、いずれも意図的な利益の嵩上げ等問題事項の記載はなかった。もちろん当時の執行役財務担当村岡富美雄氏からの引継ぎでもバイセル関係のコメントは全くなかった。

 何故、東芝は〈PC社〉の意図的な利益の嵩上げを追及しようとしなかったのだろうか、大きな疑問である。