最初の2〜3年は、徹底的に分業化された組織の中で圧倒的な成果を目指します。

 ただし、前述した通り、事業開発と営業は異なります。目の前の数字を追うだけの「単なるトップセールス」で終わってはいけません。

 成果を出しつつも、常にプロダクトの仕様や開発背景、機能実装の仕組みにまで深い関心を持ち、テクノロジーの視点を養っておく必要があります。

 その後、その企業がマルチプロダクト展開を行うタイミングで社内異動に手を挙げるか、磨き上げた「SaaS営業の型とプロダクトへの知見」を武器に、他社の事業開発ポジションへと転職します。

「高度な型を知っている」という事実は、事業開発フェーズの企業から見ても極めて魅力的なアピールポイントになります。

現在の仕事を「ハミ出す」クセが
事業開発の適性を高める

 事業開発には、特定の資格や「これさえやればなれる」という標準化されたルートが存在しません。だからこそ、現職の業務をただ漫然とこなすのではなく、将来から逆算したスタンスが求められます。

 もしあなたが将来的に事業開発を目指すのであれば、今の職場にいるうちから「与えられた役割からハミ出す」クセをつけてください。

「今の商品をただ売る」だけでなく、なぜ売れたのか、あるいはなぜ失注したのかをデータとして分析し、上司に「新しいターゲット層」や「料金プランの改善」を提案してみる。他部署のエンジニアやマーケターを巻き込んで、業務フローを効率化する新しい仕組みを社内で立ち上げてみる。

 こうした「課題に対して仮説を立て、自ら仕組みを設計・実行し、明確な成果を出した」という小さな0→1の経験こそが、職種や業界の壁を越え、あなたを「事業をつくれる人材(事業開発)」へと引き上げる唯一の証明になります。

 目の前の仕事にレバレッジをかけ、自分の手でキャリアの軸を築いていく。その挑戦の先に、市場から求められ続ける本物の事業開発としての未来が開けているはずです。