年齢とともに高まる!?
幼児期と児童期の知能の遺伝率
きっかけは、「ルイビル双生児研究」[米国ケンタッキー州ルイビルでおこなわれた長期縦断研究]によって、幼児期と児童期の知能の遺伝率が年齢とともに高まることが示されたことだった(注7)。1983年に発表された本研究の結果は、500組のふたごを幼児期から青年期まで計14回追跡した20年にわたる調査にもとづいていた。
幼児期から青年期へと成長するにつれて、一卵性双生児の知能の類似性は高まる傾向にあり、相関係数は0.75から0.85へと上昇していた。反対に、二卵性双生児の類似性は低くなり、相関係数は0.65から0.55へと低下した。遺伝率は一卵性双生児と二卵性双生児の相関係数の差から算出されるため、この結果から、幼児期には20%ほどだった遺伝率が青年期には約60%まで上昇したことがわかる。
この長期的な追跡調査からは一貫して、遺伝率の上昇という結果が得られたものの、サンプル数が500組と比較的少なかったために、統計的な有意性を示すだけの説得力はなかった。この結果の正しさを劇的に裏づける研究結果をもたらしたのは、CAPだった(注8)。他の多くの研究と同じく、この研究からも、養子家庭ではない家庭の親子の知能の相関係数が約0.1(幼児期)、0.2(児童期)、0.3(青年期)と上昇することが示された。
注7 Ronald S. Wilson, ‘The Louisville Twin Study : Develop-mental Synchronies in Behavior’, Child Development, 54 (1983) : 298-316. doi : 10.1111/j.1467-8624.1983.tb03874.x.
注8 Robert Plomin et al., ‘Nature, Nurture, and Cognitive Devel-opment from 1 to 16 Years : A Parent-Offspring Adoption Study’, Psychological Science, 8 (1997) : 442-7. doi : 10.1111/j.1467-9280.1997.tb00458.x.







