前回の記事では、新潟県糸魚川市にあるトーヨーリトレッドの工場見学の模様を、たっぷりの写真とともにお届けした。今回はその前後、会議室で行われたディープなインタビューの模様をお届けしよう。
対応してくださったのは、トーヨーリトレッド株式会社の代表取締役社長、高瀬昌洋氏(正しくは「高」ははしごだか)、トーヨーリトレッドの現場を熟知する月岡氏、そして親会社であるTOYO TIRE株式会社から同席いただいた杉本氏のお三方である。
材料は3分の1、CO2は64%減~「究極のエコ」タイヤ
まずは見学前、高瀬社長によるブリーフィングから始まったのだが……この高瀬社長、ただ者ではない。
声が異常に良いのである。腹の底から響くバリトンボイス。滑舌は完璧で、立て板に水のごとく滑らかに言葉が紡ぎ出される。まるでベテランのアナウンサーだ。ただただ圧倒される不肖フェル。ふだんは「合いの手」を入れるのだが、それが全く入れられない。
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):今日はよろしくお願いします。それにしても高瀬社長、ものすごく良いお声ですね。もしかして元アナウンサー?
トーヨーリトレッド 代表取締役社長 高瀬昌洋氏(以下、高):いえいえとんでもない(苦笑)。本日は遠方までよくお越しくださいました。さっそくですが、私どもの事業についてご説明させていただきます。
トーヨーリトレッドは1999年、TOYO TIRE(トーヨータイヤ)と高瀬商会の合弁会社として設立されました。この糸魚川と北海道の小樽に拠点を持ち、現在年間でおよそ14万本のリトレッドタイヤ(再生タイヤ)を生産しております。
リトレッドタイヤの最大の強みは、なんと言っても環境性能とコストダウンの両立です。お客様が使い終わったタイヤの表面を削り、新しいゴムを貼り付けて再生することで、新品のタイヤをイチから造る場合に比べて、原材料となる天然ゴムや石油資源の使用量を約3分の1に抑えることができます。さらに、製造工程で排出されるCO2も約64%削減できる。まさに今の時代に求められる、究極のエコ商品です。
ですから環境省が定める「グリーン購入法」の特定調達品目にも指定されています。さらに運送業界の皆様にとっては、新品タイヤよりも安く購入できるため、コスト面でのメリットが非常に大きい。
昔は「再生タイヤはバーストしやすい」といったネガティブなイメージを持たれることもありましたが、この30年でベースとなるタイヤの基本性能が飛躍的に向上しました。加えて当社の工場では最新機器を使って内部の目に見えない傷まで徹底的に検査しています。品質と安全性は、かつてとは別次元のレベルに達していると自負しております。
リトレッドタイヤは大きく「プレキュア方式」「リモールド方式」に分けられる。トーヨーリトレッド糸魚川工場では両方のリトレッドタイヤを生産している (画像提供:トーヨーリトレッド) 拡大画像表示
エコで、安くて、補助金も出て、品質も完璧。イケボ高瀬社長の一分の隙もない完璧なプレゼンテーション。私はすっかり感心し、圧倒され、ぐうの音も出ないまま(マスクの上に)ヘルメットをかぶって工場見学へと向かったのである。
トーヨーリトレッド 代表取締役社長 高瀬昌洋氏(左)、同社常務執行役員 生産本部長 糸魚川工場長 月岡洋人氏(右)







