2人の軽快な掛け合いこそが
「ドラマの肝」

 刑事モノはお茶の間でウケが良いし、主人公たちが隠しごとを抱えていて、これをバレないように四苦八苦するドタバタ劇も珍しくない。このドラマの原案と企画は秋元康氏。これまでもありそうな設定に、昨今話題となっている用語を加えるところがヒットメーカーらしいと言えるかもしれない。

 一部では「夫婦別姓」がタイトルにつけられているから政治的であるとか、何らかの社会派なメッセージがあったかのように吹聴されているが、良くも悪くもそのようなドラマではない。同クールであれば、都知事選をテーマとする『銀河の一票』のほうがよっぽど「政治的」だっただろう。

 それではどのようなドラマかというと、コメディ要素が強い。

 ミステリーの謎解きと登場人物のコミカルなやり取りを見どころとするドラマである。ただ謎解き部分の扱いは軽めであり、ミステリー愛好者を満足させるほどではない。

 となると、一番の見どころは、役者たちによるセリフの掛け合いとなる。沼袋警察署内の刑事たちの顔触れは、「刑事」と聞いて思い浮かべるようなマッチョな男性たちではなく、IT企業で働いていても違和感がなさそうな男女である。

 彼らが中華料理店を営むファミリーに扮する回があり、ちょっとした劇中劇のようになるのだが、疑似家族として過ごした刑事たちがその後、団結が深まったかのようにドラマ内ではしゃいでいるのが微笑ましかった。

 実際の現場でもそうだったら良かったのにと思わずにいられない。

 誠と明日香は公私ともに信頼し合うパートナーでありつつ、些細なことでの痴話喧嘩も多い。第1話では誠がダブルベッドをシングル2つにしようと提案し、明日香が反発して軽い喧嘩になる。

 今回の報道でも取り上げられていた、運転中の明日香がわざと目をつぶり、誠が慌てて宥(なだ)めようとするシーンもこれに関連する。問題を知らずに見ればコミカルで面白く、演技派の俳優2人がそれぞれの持ち味をしっかり出しているように見える。

 橋本愛と佐藤二朗は、どちらも充分なキャリアがある俳優として主役に抜擢されている。明日香と誠の軽快な掛け合いが本来ドラマの肝だったのではないかと思える。