ドイツ人の人間関係のフラットさは、実際に現地で働いた日本人の多くが最初に驚くポイントでもあります。

「自分にも他者にも権利がある」
ドイツ人のフラットな人間関係

 彼らにはどんなポジションにあっても対等に意見を交わす文化があり、社長であろうと、部下であろうと同じ目線でコミュニケーションを取り合います。もちろん責任や権限の重さには違いがありますが、「どちらが偉いか」を意識させられる場面はほとんどありません。年齢や肩書、キャリアによって上下関係をつくることもありません。仕事以外の場面でも同じで、国籍も経歴も違うメンバーが集まっても、「みんな違っていて当然」という前提のもと、ただ“今この時間を楽しむ”ことに集中しています。

 ここで重要なのは、「自分にも権利があるが、他者にも同じ権利がある」という視点を忘れないことです。場合によっては個人主義や自由を自分勝手と混同してしまうケースがあります。たとえば、親や先生、お店の店員など、自分が強い立場に立てる相手に対してだけ気ままに振る舞う……。しかしこれは個人主義でも自由でもありません。

 ヨーロッパで個人主義や自由が尊ばれるのは、お互いにその主張ができる前提があるからです。個人主義=自分勝手ではないという点には注意が必要です。

 また日本の場合は、個人主義以前に「自分と他者を相対的に比べてしまう癖」が根強くあります。肩書、経歴、年齢で相手を判断したり、立場によって上下関係を感じてしまう。しかし本来、職業も年齢も育った環境も、人それぞれ違って当たり前なのです。

「そこに優劣をもち込まなくていい」という考えがあれば、その場にいない人の噂をする必要もなくなります。職場でもプライベートでも、「ただその場の時間を一緒に楽しく過ごす」というシンプルな関係性に戻ることができるのです。

 自分の休日が他人軸になっていないか。どのくらいそれで占められているか。それらを意識するだけでも、時間の使い方はかなり変わってくると思うのです。

図表:自分軸と他人軸同書より転載 拡大画像表示