ドイツ人にとっては
お金よりも自由時間が財産

 仕事で大きな成果を生むには、時には思いきった判断や、エネルギーを集中させることも必要です。

 そうした場面では、人との密なコミュニケーションが必要になりますし、また意見を交わすことは時に軋轢も生みます。それは、とてもエネルギーを消費します。

 議論することや、相手と異なる意見をぶつけ合うことに慣れていない日本人にとっては、ものすごくエネルギーを使うように思えるかもしれません。

 しかし変化を起こすには、失敗を恐れすぎず、人との意見の衝突もあえて起こす姿勢が求められます。そうしたときの集中力に長けていて、「やるときはやる」力を発揮することも、ドイツ人の特徴です。

 仕事の内容にもよりますが、ドイツにも残業はあります。繁忙期でどうしても間に合わないとき、締切に合わせたいときには、驚くほどの一体感のなかで全員が集中して働きます。分かりやすい例として、ドイツのワイナリーを挙げてみましょう。

 ぶどうの収穫が行われる9月から11月下旬の約2カ月間は、まさに繁忙期。この期間は、誰もが1分1秒を惜しんで協力し合い、「頑張ろう!」というテンションで、早朝から深夜まで作業に取り組みます。

 とはいえ、こうした残業が成り立つのは、「残業した分はすべて有給休暇として振り替えられる」という前提があるからです。溜まった休暇はオフシーズンの冬にまとめて取ったり、影響の出ない時期にお互い調整し合って消化します。この残業分を給与として受け取る選択もできますが、多くのドイツ人は休暇として使うことを選びます。お金よりも自由時間を大切な財産だと考えているためです。体感としては、8割近くの人が自由時間を優先するように感じます。

 実際に、ドイツでワイン醸造のプロとして働く日本人留学生のShuichiさんは、残業超過分のうち半分を追加休暇として取得し、残り半分を給与として受け取り、とても満足していると話していました。