ドイツ人にとっての成果とは
「自分の満足度」のこと

 このようにドイツ人は、制度をうまく活用しながら、繁忙期と休暇の“メリハリ”をしっかりとつくり、自由時間を楽しめる働き方を実現しているのです。

 大きなプロジェクトや緊急の場面では、一丸となって力を発揮するのは日本もドイツも変わりません。ただ違うのは、そのメリハリのつくり方です。

 しっかり集中して働いたぶん、しっかり休む。そしてまた働くときは一気に力を注ぐ。この切り替えがドイツ人にとっての働き方であり、それが周りからの評価にもつながっている点だと思います。

 他人軸思考に慣れている日本人と大きく異なるのは、ドイツ人にとって、成果はすべて自分のためにある、ということではないでしょうか。

 仕事であれば、自分の役割を果たして給料をもらうことが自分の成果ですし、趣味であっても、それが自分の目指していることに一歩近づくことになるのであれば、それも自分にとっての成果です。

『日本の3倍休んで1.5倍の成果を出す ドイツ人のすごい休日』書影日本の3倍休んで1.5倍の成果を出す ドイツ人のすごい休日』(松居温子 SBクリエイティブ)

 彼らにとって、やらなければならないことがあったとしても、自分の成果のためにやっている意識があるかどうかが、すべてのモチベーションなのです。

 自分が成果を出すための時間の使い方は、自分で決める。

 そのマインドをしっかりもつことが、生産性を上げる休み方にとってとても大切な土台です。

 自分の能力をどう活かすか、自分がこの時間で何を成し遂げたいかを基準にして取り組むことができれば、休むこと本来の目的を見失ってしまうようなことはなくなります。

 そして、ドイツ人のように集中して働き、しっかり休んでいくマインドや習慣を日本人が少しでも取り入れることができれば、それこそ労働環境や暮らし、人生の質そのものが、大きく変わっていくと思うのです。