こんな山奥で電欠したらどうするのか。雨の中で路肩に停まったら、高速を降ろされて苛ついたトラックに追突されるのではないか。この先に本当に充電器はあるのか。あったとしても、そもそも稼働しているのか。
この表示が出ると肝を冷やします Photo by F.Y.
技術的な正義と生身のユーザーの恐怖心。その間には、男と女の間同様に、深くて暗い川が流れているのである。
「心理的航続距離」という新しい課題
EVの航続距離には、カタログ上の距離と実際に走れる距離がある。
しかしもう一つ、忘れてはならない距離がある。それはドライバーが安心して走れる「心理的航続距離」である。
多くのドライバーは30%を切ると不安になるだろう。20%を切ると真剣に充電所を探す。その人にとっての心理的航続距離はそこまでではないか。10%を切るまで走れる剛の者は、勝負師と呼んで差し支えなかろう。
だが、その勝負に意味はあるのか。電欠で止まれば路上の晒し者である。EVの性能を最後まで使い切るには、単にバッテリー容量を増やすだけでは足りない。ドライバーが安心して使い切れる「環境」が必要なのではあるまいか。
日付が変わる直前、壇ノ浦へ生還
何度も残量表示を見つめ、雨に打たれ、一般道を走り、高速に戻り、再び西へ向かった。壇ノ浦PAのハイウェイホテルに着いたのは、23時46分。ほとんど深夜0時である。
壇ノ浦PA到着は23時46分。バッテリー残量20%。道すがらの一般道に充電ステーションは見当たらず、結構な綱渡りでございました Photo by F.Y.







