悪気はないのに「感じ悪い」と思われる人の決定的な特徴〈風、薫る第78回〉

「言い方ひとつで角が立つ」

 ここでまた洋髪の話になり、りんはいつもの正直な物言いで対応すると、校長に日本髪は不潔だというのか、と言いがかりのようなことを言われた挙句、「言い方ひとつで角が立つ」と説教される。前途多難そうだ。

 ただし、「言い方ひとつで角が立つ」はその通り。コミュニケーションにおいて気をつけるべきことだ。

 ご近所づきあい、会社づきあい……コミュニティに所属していると、ひとりだけ目立つと何かと矢面に立たされる。言葉を発する前に周囲の様子を伺って、出すぎないことが肝要だ。そして、できるだけ角の立たない、感じの良い物言いを心がけること。

 たとえ悪気はなくても、りんのように思ったことを咀嚼しないですぐに言葉にするなんてもってのほかだ。そして、そのコミュニティのリーダー的な人には極力失礼のないように気をつけないといけない。ああ、大変。

 りんは校長と話して足がしびれたようだ。正座が当たり前だった時代の人も足がしびれることもあったのだろうか。

 校長が出ていくと、入れ替わりに若い女性が5人入ってくる。さっきの久もそのなかにいる。

 皆、洋髪に興味津々の様子だが、やって差し上げましょうか?とりんが言うと、即「それはいいです」。親戚の目を気にしているのだ。英語の辞書を本屋で買っただけで西洋かぶれだと近所で噂になるのがこのあたり一帯なのだ。

「東京の人にはわからないんですよ」と言われ、りんは生まれは栃木なので多少はわかると言う。

 女性たちには鹿鳴館で捨松と出会ったと、直美(上坂樹里)の話が混ざって伝わっていた。これも、噂話あるあるだ。人づての話はとかく正確には伝わらないものだ。伝言ゲームをやると、いかに元の話が刻々と変化していくか、実感できる。