習近平が覇権を狙う「AI一帯一路」とは? Photo:Pool/gettyimages
中国が「AI覇権」を握ろうとしている。習近平国家主席は、中国発モデルのシェアを拡大し、必要な半導体や製造装置、さらには国際ルールの策定でも世界トップを目指す強い野心を世界に示した。今後、ディープシークやアリババ、月之暗面(ムーンショットAI)などが、より低コストで高性能なモデルを投入するとみられる。米国と中国のAI競争の激化は、日本にどんな影響を及ぼすのか。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
習近平氏が「異例」の会議出席
米国とのAI競争に「本気」を見せる
7月17日、中国・上海で世界人口知能大会(WAIC、上海AI会議)が開幕した。今回の最注目は、2018年の会議創設以来初となる、習近平国家主席が自ら会議に出席したことだ。開催前、習氏の参加は想定されておらず、突然の参加は中国内外で驚きをもって受け止められた。
会議冒頭の演説で、習氏は「一国がAIを独占すべきではない」と述べた。趣旨としては、中国がこれから米国の優位を崩していくぞ、とAI競争における中国の本気度を示したとみられる。
世界の経済・安全保障において、AIの重要性は高まるばかりだ。AIの開発体制を拡充することは、自国産業全体の国際競争力を高めることにもつながる。AI分野でトップを狙う習氏は、次々と「強い意志」を語った。
例えば、AIは世界に変革をもたらす最重要技術であると述べた。蒸気機関(18世紀、英国で起きた産業革命)、電力、インターネットの出現に続く、重大なインパクトを世界にもたらすという見立てだ。
一方で、AIのリスクにも言及した。機械(AIロボットなど)が思考し始めた時、人類はどう対応すべきか(AIの脅威)。AIが意思決定に関与した際、人類の安全をどう守るか(安全性)。AIが倫理など人類共通の価値観に対抗しようとした際、どう管理するか(ガバナンス)。経済格差が拡大する中、AIのベネフィットをどう実現するか(経済成長)。いずれも難しい問題だ。







