4つの点への対応策として、習氏は、オープンソースでの開発、利用を呼び掛けた。幅広い産業でAIの利用が促進し、付加価値を創出するのが指針とみられる。
「AIをグローバルな管理下に置くべきである」とも明言。米国を念頭に、特定の国の価値観を他の国に押し付けて、利益を優先的に取り込む姿勢には「共同して反対すべきだ」と主張した。AIのグローバル・ガバナンス体制構築も提唱した。
現在、米国のトランプ政権と欧州諸国や新興国との関係は不安定だ。習氏からすれば、この状況をうまく利用しない手はない。中国の主導で安心・安全なAI開発や利用、管理体制を提供することで、「共にベネフィットを享受しよう」と呼びかけた。
2026年7月17日、中国・上海で開催された世界AI会議。中国の習近平国家主席、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相、カンボジアのフン・マネット首相、カザフスタンのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領など参加者らが記念撮影 Photo:Pool/gettyimages
ロシア、インドネシア、ブラジル、南ア…
29カ国で創設、中国主導「WAICO」とは?
米国と真正面から競争し、世界トップのAI大国を目指す――中国がそうした野心を口にする機会は増えている。例えば昨年10月のAPECサミットで、習氏は「世界人工知能協力機構(WAICO)」の構想を提唱した。
そしていよいよ今回の上海AI会議で、正式にWAICO設立を表明。AI大国のビジョンを実行に移した。
創設メンバー国は29カ国。インドネシア、ブラジル、マレーシア、南アフリカ、セネガル、ロシア、パキスタンなど新興国や途上国(グローバルサウス)が名を連ねた。主要先進国・地域は参画していない。WAICOの本部は上海に設置する。
WAICOのインパクトは大きい。国際的にはすでに、日本が策定を主導した「G7広島AIプロセス」、EUの「AI法」、米国主導のAI経済安全保障ルール「パックス・シリカ」がある。が、いずれも地域的な広がり、多国間連携という点では、今般のWAICOに見劣りするとの指摘は多い。







