その後、過去2回の増税で徐々に需要が減り、2025年はビール類の中で26%弱まで比率が下がってきています。ただ今回の増税は、これまで2回の第三のビールのコスト増とは違います。なにしろ味が良くなるのです。
はっきり言えば、2018年以前の第三のビールは税金のゆがみが生んだ「まずい」飲み物でした。優秀な技術者が税金を減らすために、先端テクノロジーを投入してビールに似たスピリッツを開発してきたのです。私はあの時代は、日本のビールの歴史におけるの暗黒時代だと捉えています。
しかし麦芽50%以上となると話は違います。実は、アメリカで大量に飲まれているバドワイザーがちょうどこの比率なのです。
バドワイザーはもともとコメ由来の原料を30%、ないしはそれ以上用いることでライトな飲み口を実現しています。今回のリニューアル製品は、あの「軽快でクリスプなアメリカンラガー」の飲み口が狙えるのです。
さらに言えばザ・プレミアム・モルツ、一番搾りなど麦芽100%の製品とも味の違いで棲み分けが可能です。この美味しさを武器にこれまでの第三のビール時代のシェア26%を最低でも維持、可能であれば押し上げることが各社が狙うゴールになるでしょう。
視点3
実際にどうなりそうなのか?
では各社のこの戦略は実現するでしょうか?
この秋のビール戦争のゆくえを予測するにあたって重要なことがあります。これまでの第三のビールの競争は、ハイボールや缶チューハイなどRTDと呼ばれるお酒との戦いだったということです。
先述したように、2020年にビール類の半分近くを占めていた第三のビールが26%まで構成比を落とした大きな理由は、RTDを消費者が強く支持したことです。酒税の関係でビール類よりもさらに安く、しかもおいしい。加えてストロングというアルコール度数が高いジャンルでは、さらに安く酔うことができます。
このトレンドが生まれた一つの背景に居酒屋の飲み放題コースがあります。







