これら2つのカテゴリの人々をまとめると、以下のようになる。収入の当てのない低所得者、高齢者、障害者、子ども、子育て世帯、ひとり親世帯、障害児のいる世帯、遺族、難病患者、失業者、労災者、女性、被差別部落民、アイヌの人々、外国人、感染症患者、刑を終えた出所者、犯罪被害者とその家族、LGBTQ、ホームレスの人々などだ。
これらの人々を「明白な弱者」として認定し、いわば「弱者リスト」の公認メンバーとして支援の対象とすることが、今日の日本では大方の合意となっているのではないだろうか。それは「誰が弱者なのか」という問いへの、いわば公式の回答となるものだ。
「弱者リスト」からこぼれた
人々に目をつけた参政党と高市
これまでの日本では、この「リスト」の内実に異議が申し立てられるようなことはあまりなかった。しかし近年ではそうした声があちこちから湧き上がり、大きな動きとなっている。
高齢者だけではなく現役世代も加えてほしい、女性ばかりでなく男性も含めるべきだ、日本人こそつらいのだから外国人は除いてもらいたい、という具合だ。また、低所得者よりも中所得者、障害者よりも健常者、失業者よりも労働者のほうがつらい、などという声もよく聞かれる。
中間層やマジョリティに属し、元来はむしろ「強者リスト」のメンバーであるはずの人たちが、こうしてそれぞれの「弱さ」を訴えながら、「弱者」の仲間入りをさせてもらいたいと望むようなケースが増えている。これまでは守られる対象ではなかった人たちが、自分たちを守ってほしい、自分たちには守られる権利がある、などと主張するケースだ。その結果、元来の「明白な弱者」の枠には収まりきらない多様な弱者、「曖昧な弱者」が大量発生することになった。
そうしたことからそこに目をつけ、「曖昧な弱者」が抱きがちな憤懣を政治的に利用しようとする勢力も現れてくる。その1つが、2025年7月の参議院選挙で大きく躍進した参政党だろう。彼らは外国人という「明白な弱者」への敵意を煽ることで、日本人という「曖昧な弱者」の憤懣に訴え、その支持を得ることに成功した。







