北朝鮮を飼いならした習近平

 中国について気になるのは、来る2027年が中国軍創設100周年に当たり、しかも同年秋に共産党総書記として4期目がかかる党大会を迎えるという点だ。

 しかも、2027年は、2028年1月の台湾総統選挙に向け候補者が出揃い、選挙戦がスタートする年でもある。筆者や防衛関係者の多くが、「台湾有事が起きるとすれば2027年」と唱えているのはこのためだ。

 日本で高市政権の屋台骨が揺らぎ始める中、中国は、困ったことに、SLBMの発射実験を成功させ、東シナ海や南シナ海で実効支配の度合いを強め、おまけにAI大国としても揺るぎない地位を確立しようとしている。加えて、下記の通り、北朝鮮との連携強化にも余念がない。

・6月8日 中朝首脳会談
習氏が北朝鮮の「労働新聞」に「覇権主義や軍国主義に反対」と寄稿。同日開かれた金正恩総書記との中朝首脳会談で、習氏は北朝鮮の「核開発」を不問に付したうえで、互いに武力攻撃を受けた際、軍事的支援をする合意を取り付けた。

・7月10日 高官相互訪問
北朝鮮の朴泰成首相ら代表団が7月10日から12日まで訪中。一方、中国も、共産党序列4位の王滬寧政治局常務委員ら代表団が7月16日に訪朝。これらは、交流を活発化させることで、北朝鮮を対米、および台湾統一の際のカードにしたい中国と、その中国を「後ろ盾」にしたい北朝鮮の意図の表れ。

 中国は、こうして北朝鮮を、いざとなったら中国に呼応して日本海にミサイルを撃ち込んでくれる同盟国として再びコントロール下に置くことに成功した。

 これで習氏は、8月初旬、中国・河北省の保養地、北戴河で開かれる共産党の長老たちを交えた会議を無難に乗り切りさえすれば、悲願の台湾統一に向け「本気モード」に入ることが可能になった。