高市政権にできる唯一の備え
高市首相は、この先も、軍事力と技術力の両面で強大化し続ける中国と対峙しなければならない。
先の特別国会で審議された重要法案は、その多くが「麻生支配」によって成立や先送りが決まる案件が多かったが、幸いなことに、外交・安全保障に関しては、高市首相と麻生氏の考え方に大きな開きはない。
まずは、高市首相と習氏が嫌でも顔を合わせる11月のAPEC首脳会議(中国・深圳〈シンセン〉で11月18日~19日開催)に向け、高官や外相レベルで関係改善に向けた対話の機会を探ることだ。
それと並行して、経済戦や情報戦、サイバー、電磁波、宇宙、無人機ドローンといった新しい戦い方への備えを急ぎ、防衛3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)の改訂も年内に遅滞なく終えることである。
さらに言えば、8月から9月に想定される内閣改造と自民党人事で、たとえ麻生氏の力を借りてでも求心力を取り戻すことだ。冒頭に述べた「高市バブル」の崩壊は中国が一番望んでいることだからである。
現時点で「こうなるのが高市首相にとってはベター」という観点で取材した内容を列記しておく。
○自民党幹事長: 麻生氏の義弟である鈴木俊一氏を代えるなら、麻生氏に近い萩生田光一幹事長代行。
○外相: 麻生氏と近い茂木敏充氏が留任。
○防衛相: 国際会議でも発信力が高い小泉進次郎防衛相が留任。
○経済産業相: 麻生氏と近い保守派の小林鷹之政調会長が横滑り。
重要ポストの1つ、官房長官は、普通に考えれば木原稔氏の留任だが、かつて落選した高市首相を近畿大学の教授に抜擢し、救いの手を差し伸べた世耕弘成氏(衆議院議員・近畿大学理事長)が、8月6日の自民党党紀委員会で復党を認められれば、内閣入りして再び高市首相を支える役割を担う可能性も十分ある。
同じく注目される日本維新の会からの入閣は、「是非、官房長官に」と自薦中の馬場伸幸前代表ではなく、皇室典範改正で麻生氏と会食をした藤田文武共同代表という布陣ができれば、本音では維新より国民民主党と組みたい麻生氏の顔を立てつつ、対中シフトもできると筆者は見ている。
(政治・教育ジャーナリスト/びわこ成蹊スポーツ大学教授 清水克彦)







