つまり、脳のバッテリー容量そのものが小さくなってしまうのです。私たちの脳のバッテリー容量は金魚並みに低下してしまっています。
脳を積極的に休ませることを考えるのと並行して、脳の疲労耐性を高める行為を行わないと、何の意味もないのではないかと思います。
10秒しか持たないバッテリーは、すぐ放電が終わってしまい、たとえ充電完了しても、次も10秒で切れてしまうのでは、まともに仕事も家事も勉強もできるはずがありません。
「悪い脳の疲労」(編集部注/対する「良い脳の疲労」は、脳の疲労に気づける状態だと本書で定義)は、前頭前野がうまく働けなくなっているにもかかわらず、ほかの脳領域が過剰に活動し続けている状態であり、その状態が長く続くことで、脳の疲労耐性の低下にもつながっていくのです。
「疲労耐性」が低い脳は
すぐにバッテリー切れする
疲労耐性が弱い脳はこらえ性がありませんから、1つのことに集中して取り組めません。あちこちに意識が向いて、何かをやっていてもすぐに別のことを始めてしまいます。
考えがまとまらず、取り留めのない状態です。さらに、脳を使って疲れた状態になっても、そのことを自覚することができません。
容量が小さくなっているのですぐ「バッテリー切れ」を起こします。しかし、バッテリー切れを起こしているのに使い続けてしまうため、脳はさらにオーバーヒートを起こし、オーバーヒートするので機能が落ち、ますます「疲れた」というサインに気付けなくなる……という、悪い循環にはまってしまいます。
長い間、人類にとって「頭を使う」というのは前頭前野を使い、使うことでその能力を鍛えることでしたが、デジタルツールの出現と急激な発達によって、ヒトは今までにない脳の使い方をするようになりました。
「悪い脳の疲労」を引き起こす、偏った脳の使い方によって、生来持ち合わせていたはずの脳の能力や機能を引き出せず、場合によっては脳に損傷を与えてしまう恐れすら出てきました。







