「悪い脳の疲労」を生じさせる3大悪習慣(編集部注/長時間のテレビ視聴、長時間のテレビゲーム、スマホ・タブレットの3つ)についてお話ししましょう。

 いずれも、視覚情報や聴覚情報を脳が積極的に処理すること、その一方で疲労の知覚と密接に関連する前頭前野が不活性化することが共通点です。

 前頭前野が不活性化しているが故に、大量の情報処理によって脳に疲労が生じていても、それに気が付かないことが、「悪い脳の疲労」の根本だと考えています。

 脳が疲労に気付きにくいので、何時間でも没頭することが可能です。仕事や勉強は10分集中するだけで疲れを感じますが、テレビ、ビデオ、ゲーム、スマホで遊んでいるときには、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

人間がスマホに
操作されてしまう

 ただ、この3悪は、それぞれ悪さの程度に違いがあります。テレビやビデオは、コンテンツの選択をしてしまえば、あとは受動的に情報が流れ込んでくるだけです。

 ゲームは、ほとんどの場合、自らの意思決定によって内容が変化する双方向の操作性が必要になります。テレビ、ビデオを視聴するほうが、ゲームで遊ぶよりも、脳は使いませんから、疲労も起こりにくいと考えられます。

 一方、スマホでは頻繁にコンテンツが切り替わり、常に新しい刺激が飛び込んできます。さらに、人工知能が利用履歴などからユーザーの好みを探り出し、興味を持ちやすい(と人工知能が判断した)情報が、勝手に紛れ込んできます。

 それに加えて、あえて興味関心があるものとは違うものを織り交ぜて、それによって興味があるものが出たときの喜びを演出し、依存性を高めるような仕掛けも盛り込まれています。

 テレビやビデオとは比較にならない、多彩な視覚刺激と聴覚刺激が飛び込んでくるので、脳はよりたくさん働く必要があります。

 操作性はゲームには及びませんが、双方向性の観点ではスマホのほうが複雑です。利用者の好みや行動を学習した人工知能が新しい情報を次々と提示してくるからです。