例えば、大型半導体製造装置の梱包には、3層強化段ボール(STW:Strong Triple Wall)を採用。通常、大型装置の梱包には木枠を使用するが、木枠自体の重量が大きいため梱包作業の負荷となっていた。

 一方で、STWは紙製で軽量なため、梱包作業の負担を大幅に軽減できる。また、同社では既存のSTWを使用するだけでなく、独自の梱包技術を加えることでさらなる耐久性の向上も実現した。

 村冨真治ディレクター(物流戦略企画担当)は「段ボールというと一般的には耐久性が低いイメージがあるが、STWは木枠と同等の耐久性と防水性を有している。現在までにSTWに起因した輸送事故が発生した事例はない」と強調。「21年に木枠を用いた輸出梱包のうち50%をSTWに切り替えるという目標を掲げ、このほど遂に達成した。今後はこの割合を60%まで引き上げていく」との方針を示した。

 ただ、一部の大型の製品では木枠梱包も継続し、「多様な輸送モードや製品の仕様、お客様の要望に合わせて最適な梱包方法を選択していく」と語った。

東京エレクトロンが大型半導体装置の梱包で採用した「意外なモノ」とは?STW(強化ダンボール)を活用 画像:カーゴニュース

航空貨物保安対策で「特定荷主」の認定取得

 今年1月、国交省の原則開被検査実施という方針を受け、新たな課題が浮上した。一般的なX線検査装置では大型の半導体製造装置を検査できず、検査現場での開梱や開披検査についても、木枠やSTWによる厳重な梱包を行っていることから、検査現場での開封・再梱包が不可能だったためだ。

 そこで同社は、国土交通省による「KS/RA制度」を活用し、「特定荷主」の認定を取得。特定荷主が保安施設である梱包施設で爆発物検査を実施し安全を担保することで、国際輸送業者(RA/フォワーダー)における開被検査・X線検査装置による爆発物検査を免除する体制を整えた。

 八木氏は「爆発物検査の厳格化は業界全体の課題であり、SEAJ(日本半導体製造装置協会)とも連携しながら対応を進めた」と振り返る。

 なお、輸送面でも、通常のトラックに大型の製造装置は積載できないため、特殊車両を使用して輸送している。八木氏は「全体の約40%で特殊車両を使用しており、パートナー会社との連携により、個々の製品仕様に合わせたバリエーション豊かな特殊車両を確保している」という。