購入部品の購入価格もこのような方法で値段を決めて購入するので、購入部品の価格は3年目から低くなります。他の費目である開発・設計費用も商品モデル期間ではなく、単年度で償却処理します。また、生産量が変動すると原価が変わります。

 多くの企業は財務会計システムを利用して、このような財務会計上のデータ処理を行っています。実績原価は会計年度ごとに、または時期によって大きく変動します。その時点での財務会計を算出するのには適していますが、原価を考えながら原価企画・原価計画・原価低減を行う業務には、財務会計のような考え方とこれを基準とした原価の計算は適していません。

 また、会社によっては、経理部が行っている財務会計に基づいたデータが正しいと考えて、それらのデータを基にして全社の各業務に展開しなければならないと決めているところもあります。しかし、こうした原価の計算方法では多くの部署は正しい原価の判断ができません。原価は日々変動するので、原価を考えた業務を遂行するには不向きです。

 原価マネジメントを、原価企画段階、原価計画段階、原価低減段階の3段階に大きく分けて示しました。それぞれの段階で、原価を把握し、原価を改善する、仕事の付加価値を高めて利益を向上させることに重点を置いています。

 儲(もう)けることが原価マネジメントです。原価マネジメントは、社員全員の仕事です。財務会計は業績の集計と分類で経理部の仕事です。ここに大きな違いがあります。

 原価マネジメントでの原価の捉え方、原価の計算は財務会計とは違った方法を取り、業務内容に応じて原価の計算方法を変えます。原価の捉え方・計算方法・計算値は業務によって違いがあるので使い分けます。

 原価の検討に使うデータは財務会計と原価マネジメントとでは異なるので、同じ数値を使用してはいけません。財務会計と原価マネジメントとは全くの別物と解釈してください。