各業務と4つの原価の捉え方の関係を表にしたものが、下の表です。

各業務での原価の算出方法各業務での原価の算出方法(筆者作成)

 この表から分かる通り、各業務で原価の4つの捉え方がよく使われます。原価の業務にはどうしてもこれらを習得する必要があります。

 間違った捉え方をすると間違ったデータになります。すると、原価に関する判断を間違えることになり、損失が発生します。

対象とする原価の範囲

 下の図を見てください。原価低減時やVE・VAで原価を下げたときに原価を算出する方法で、原価低減の対象(部品または組織別)を限定して計算する方式が差額原価です。

差額原価と絶対原価差額原価と絶対原価(筆者作成)

 この方法は対象の部品や担当する人を限定し、低減した原価を計算するので、割と容易に算出できます。ただし、この原価低減で他の部品や他の部署が影響を受けることが多々あり、これらの原価アップ分を差額原価では考慮していないケースが多く見られます。

 トヨタ自動車はこの差額原価の方式で原価企画を実施してきましたが、後で原価を再集計すると大きな誤差が発生するケースがありました。そこで、節目、節目で、全体の部品の原価を再集計し、商品全体の原価をもう少し正確に算出する方式に変更しました。これを「絶対原価」または「フルコスト」といいます。