世の中をあっと言わせる偉業を成し遂げた人は、自分の仕事をどう捉えていたのか。サラリーマンでありながらサンダンス映画祭で日本映画史上初のグランプリを受賞し、『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』を上梓した長久允氏の思考から辿ります。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
研ぎ澄まされた基準を持っている
圧倒的な結果を出す人には、最初から特別な才能や人脈があったのだと思ってしまうことがあります。
世界で評価される人、業界で突き抜ける人、誰もが認める成果を出す人は、自分とは違う場所からスタートしているように見えるからです。
確かに結果だけを見れば、その人は最初から圧倒的だったように見えます。
しかし、その仕事が始まる前にあったのは、才能の証明でも、成功の保証でもなく、「自分はどうしたいか」「どこまで真剣になれるか」という、かなり研ぎ澄まされた基準だったのかもしれません。
冷笑には応じなくていい
長久允さんは、サンダンス映画祭で日本人で初めてグランプリを獲るという、まさに世界的な成果を出した人です。
その長久さんの著書を読むと、圧倒的な結果を出す人の仕事前のマインドセットが見えてきます。
長久さんはこう言います。
本当のことしか書かない
誰かの冷笑は無視をしましょう。そいつはセンスがない、ただの意地悪です。
やりたいことをやるべきなのです。「恥」は捨てる。丸裸になったらいいのです。笑う奴が間違ってる。
これは、気合いの話ではありません。世界で評価されるものを作るためには、まず自分の中にある本当のことから逃げない、という態度の話です。
多くの仕事では、手を動かす前に、つい他人の目を考えてしまいます。
これを出したら笑われないか。幼稚だと思われないか。ビジネスとして通用するのか。もっと賢そうに見せたほうがいいのではないか。
そう考えるうちに、本当はやりたかったことや、本当は言いたかったことが、少しずつ薄まっていきます。
しかし、圧倒的な成果を出す人は、最初にそこを間違えないのだと思います。
どう見られるかより先に、自分にとって本当かどうかを確かめる。笑われないものではなく、やらずにはいられないものを選ぶ。
評価されそうな形に整える前に、自分の中にある芯を見失わない。
きれいにまとまっていても強さはない
長久さんは、ご自身の職業についてもこう語っています。
脚本家や映画監督は、もしかしたら「職業」ではなく、「生き方」に近いように思うのです。
圧倒的な成果を出す人にとって、仕事は単なる作業や肩書きではありません。
それだけ自分と一体化しているということなのかもしれない。自分が何を信じ、何をおもしろがり、何を世の中に差し出したいのかが、そのまま仕事に出てしまうものです。
長久さんは、こうも言います。
ビジネスになっているかどうかは問題ではありません。
自分を信じて書いていたら勝手にそのうちビジネスになるから安心していい
もちろん、仕事である以上、収益や成果を無視していいわけではありません。けれど、最初からビジネスとして通りやすい形だけを狙うと、誰かの真似や、どこかで見たようなものになりやすい。
結果として、きれいにまとまってはいても、世界を驚かせるほどの強さは生まれにくいのです。
圧倒的な人の覚悟
圧倒的な結果を出す人は、最初から世界を狙って小器用に調整している人ではありません。
むしろ、自分の中にある本当のことを、恥を捨てて、丸裸になるくらいの覚悟で差し出している人でした。
それが結果として、代えがきかない仕事になる。そして、遠く離れた誰かの心にも届くものになる。
だからこそ、仕事に取り掛かる前、まずは自分に問い直す必要があるのでしょう。
これは本当のことか、自分は本当にこれをやりたいのか、
恥ずかしさや冷笑を恐れていないか、と。

世界が注目する脚本家が初めて明かす、
「自分にしかできない仕事」のつくりかた
大好評、たちまち重版3刷!!!
5月30日 東京新聞「書評」掲載
4月12日 読売新聞「本よみうり堂」掲載
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佐久間宣行さん、ラランド・サーヤさん絶賛!
MEGUMIさん愛読書!!
「それっぽいもの」ではなく、
「本当に心を動かすもの」を
表現がいまいちしっくりこない。
この仕事、自分がやらなくてもいいような気がする。
もっとおもしろいものを作りたい。
そんな悩みに、現役サラリーマンでありながら、海外の映画賞で「日本人初」の快挙を総ナメしてきた著者が答えます。
どうしたら、自分だけの表現をし、それを成果に結びつけられるのか。
どんな人でも、「あなたにしか作れない作品」を生み出せるようになる、まったく新しい脚本術が誕生しました!

本当のことしか書いていない。
これからの「世界のスタンダード」を伝える一冊
いま世界で本当に評価されるものは、「何かに似ているもの」ではありません。
ハリウッドで必ず聞かれること。それは、
“What’s your VOICE?”
あなたのボイスは何ですか?
ということです。
つまり、他の誰でもない「あなたが」何を伝えたいか、ということ。
では具体的にどうすればいいのか。
すべてを自分で切り開いてきた著者が、包み隠さず伝えます。
真剣に表現したいと思う人、自分らしさを失わずに働きたいと思う人に、とても響く内容です。
本書の内容
はじめに
「この本の結論を先に言います。」
「それっぽいもの」は最低だぜ!
王道の脚本方式と完全自己流の脚本方式をミックスして
そもそも脚本家ってどうやってなったらいいかわからない問題
Lesson0 世界一になるまでの変則ルート
「私が映画を作ったのは32歳から! おせ~!」
一度は夢をあきらめて、就職! (挫折期)
CMプランナーから、店頭ビデオプランナーに (朦朧期)
倒れて気づく。「クライアントは自分」
そして世界一。日本人初の快挙を、まさか私が。
「そもそも映画ってなんなの?」
Lesson1 何を書く?
「脚本ってなんですか?」
設計図としての書式
Step0 私は何を書くべきなのかを見つける
Lesson2 王道! ハリウッド式脚本法
「で、どうやって書くの?」
Step1 「ログライン」を書く
Step2 登場人物を作り込む
Step3 3幕構成にする
Step4 シーンを作る シーンカード入れ替え検証
Step5 セリフとト書きを書く
Interval あなたが天才かどうかという重要な話。
Lesson3 誰でもできる長久式脚本法
「めっちゃ変な書き方。それでいい。」
Step1 はじめに「怒り」と「悲しみ」がある
Step2 音楽を見つける
Step3 エンドロールの歌詞を書く
Step4 映画のタイトルを決める
Step5 ポエトリーリーディング脚本法
Step6 そのセリフをシーンや人物に振り分ける
Step7 音だけの2時間映画を作る
Step8 直し続ける
Lesson4 迷ったとき役立つかもしれない裏技集
「何も浮かばないよ!」
裏技1 絶対に誰にも言いたくない思い出を書く。
裏技2 SNSには書けない「よくない感情」という金脈
裏技3 会話のセリフがうまく書けないなら
裏技4 設定がうまく伝わってないと感じたら
裏技5 タイトルから考えちゃうっていうのはどう?
裏技6 「ポエトリーリーディング脚本法」に欠かせない号泣プレイリスト
裏技7 「うまい」は敵!
裏技8 極論! 10年書かないでみる
裏技9 おもしろくなくてもいいじゃないか(本気で言っている)
Lesson5 書いたあとどうする?
「映像化しちゃう?」
お金集めをどうするか(自腹、賞金、クラファンそれぞれのやり方)
予算別! 映画の作り方(10万円、100万円、1000万円)
実写映画撮影現場での時間削減工夫集(事前準備と心持ち)
ロケ場所についての具体的解決案
Lesson6 あなたにしか作れないものがある
「情緒不安定なあなたは向いている」
「当事者しか知らない感情がある」
「だから、本当のことしか書かない」……